HOUSE TAG JOURNAL

工務店の施工事例はどう比較する?2実例で考える「会社の特徴」と「一邸の工夫」の分け方

HOUSE TAG編集部 · 公開
工務店の施工事例はどう比較する?2実例で考える「会社の特徴」と「一邸の工夫」の分け方について、図面と住宅設備を見ながら配置を検討する様子
この記事の内容
  1. ホームランディック・ホテルライクな邸宅|土地購入前に建てられる家を確かめる
  2. 裸の家(hadashinoie)・アールの可愛いおとぎの家|暮らし方に合わせて内装と設備を決める
  3. 2実例を会社の評価に直結させず、次に確かめることを整理する
  4. 打ち合わせで確認したいこと

気に入った家の写真を保存し、同じ工務店の施工事例を次々に見る。内装の雰囲気は好きだけれど、「自分たちにも同じような提案をしてもらえるのだろうか」と迷うことはないでしょうか。好みの一邸が見つかることと、会社に共通する特徴が分かることは、分けて考えたいところです。

今回は、土地購入前に設計図を示してもらったホームランディックの一邸と、扉の使い方や家具の配置に合わせて内装・設備を計画した裸の家(hadashinoie)の一邸を取り上げます。前者では相談の順序、後者では細部を決めた理由を確認できます。

この2邸だけで、どちらの会社の提案力が高いかを判定する記事ではありません。一邸で確認できた事実を出発点に、同じ会社の別事例で何を探し、打ち合わせで何を聞けばよいかを整理します。

ホームランディック・ホテルライクな邸宅|土地購入前に建てられる家を確かめる

動画はスクロールすると読み込まれます
時刻ボタンを押すと、この動画が該当シーンに切り替わります。

完成した姿だけでなく、図面が出てきたタイミングを見る

この家の動画では、土地が決まっていない段階で住宅会社選びを始め、土地探しも一緒に進めたという経緯が語られています。土地を買う前には、その場所ならどのような家を建てられるかを設計図で示してもらったと説明されています。

ここで読み取りたいのは、完成した家の形だけではなく、購入を判断する前に建物の案を見ていたという順序です。土地探し中の読者なら、気になる土地を見つけたとき、購入前にどこまで相談できるかを確認する材料になります。

ただし、この動画では購入前の図面の詳しさや、作成の費用・条件までは確認できません。「土地から相談できそう」で止めず、候補地について何を提示してもらえるのか、いつ依頼すればよいのかまで聞くと、自分たちの検討手順に置き換えられます。

予算への満足と、当初予算に収まったかを分けて読む

予算については、当初の想定より大きく上がった一方、住んでみて満足しているという振り返りがあります。当初は生活に余裕を持てそうな金額を漠然と考えており、複数の相談を通じて、生活と家づくりを両立できそうな予算を検討したと説明されています。

この話を「予算内で希望をかなえた会社」とまとめると、意味が変わってしまいます。確認できるのは、予算を見直した経緯と、完成後の満足についての評価です。満足したという言葉を、費用を抑えられた証拠として扱わないことが大切です。

自分たちが相談するときは、希望する金額に加え、超えたくない上限や残したい生活費も伝えたいところです。そのうえで、候補地と建物の案を検討するどの段階で費用を確認できるかを聞いてみましょう。この一邸の満足をそのまま借りるのではなく、自分たちが納得するための情報をそろえる質問に変えます。

一邸の対応を、会社に共通する進め方と決めつけない

この実例で具体的に確認できるのは、土地未決定の段階で相談を始め、購入前に設計図を見せてもらったという経験です。同じ手順が会社のすべての案件で用いられるかどうかは、この動画では説明されていません。

別事例を探すときも、似た外観だけを探すのではなく、「土地をいつ決めたか」「購入前に何を提案されたか」に注目してみてください。土地が決まってから相談した家であれば、検討の順序が違っても不思議ではありません。条件が違う事例を、対応の良し悪しとして単純に並べないようにします。

複数の事例で同じ進め方が見つかったら、それを会社の特徴として確定する前に、「私たちの場合も利用できますか」と確かめます。施工事例は、対応を約束するものではなく、具体的に質問するための手がかりとして使うと整理しやすくなります。

裸の家(hadashinoie)・アールの可愛いおとぎの家|暮らし方に合わせて内装と設備を決める

動画はスクロールすると読み込まれます
時刻ボタンを押すと、この動画が該当シーンに切り替わります。

木目の天井は、柄だけでなく扉の使い方と一緒に見る

2階を紹介する場面では、木目の天井が続き、扉を開けると空間がつながって見えることが話題になっています。その説明に続いて、扉を開けたまま生活することを想定し、クロスも提案していると語られています。

見た目だけを拾えば「木目を使う会社」という印象になります。しかし、この場面では扉をどう使うかという生活の想定も示されています。ここから読み取れるのは、柄の選択だけでなく、扉を開けたときに隣り合う空間をどう見せるかまで確認したい、ということです。

自宅で取り入れるなら、まず普段開けておきたい扉と、閉めて使いたい扉を図面で分けてみましょう。動画内には住宅性能に関連付けた説明もありますが、この場面だけで温熱性能や空調条件を検証することはできません。内装の連続性と、扉を開けて暮らせる条件は、別々に確認したい項目です。

コンセントの位置から、家具をいつ決めたかをたどる

子ども部屋の紹介では、ベッドと机を置く場所を計画していると説明されています。また、別の部屋へ移った場面では、ベッドを置く位置に合わせ、その高さを考えてコンセントを用意したと語られています。続くやり取りでは、そこで充電する使い方にも触れています。

ここで注目したいのは、コンセントが高い位置にあること自体より、その根拠がベッドにある点です。寝る場所と充電する場所を結び付けて見れば、設備の数だけでは拾えない計画の意図を確認できます。

同じ会社の別事例では、コンセントの高さがそろっているかだけでなく、家具や使う物に合わせた説明があるかを探してみてください。自分たちの打ち合わせでは、使いたいベッドの位置と高さをいつ伝えるのかが具体的な確認事項になります。事例と同じ高さを指定するのではなく、その高さにした理由を自宅の条件へ置き換えます。

提案者の好みと、部屋に求めた役割を区別する

子ども部屋では、明るくしたいという意図とともに白いクロスが紹介されています。一方、2階のトイレでは恐竜柄のクロスが登場し、話し手がそのクロスを使ってほしくて、ご主人に提案したと説明しています。

同じ家の中でも、白いクロスには部屋を明るくしたいという説明があり、恐竜柄には提案した人の好みや勧めた経緯が語られています。どちらも単に「この会社らしい内装」と一括りにせず、何を狙い、どのような提案から決まったのかを分けて読むことができます。

この場面だけでは、恐竜柄を勧めた人の役職や、会社として同様の柄をよく使うかまでは分かりません。気に入った内装があれば、「住まい手の希望だったのか、担当者からの提案だったのか」「別の好みなら何を提案するのか」を聞いてみましょう。柄を再現したいのか、好みに合う選択肢を出してほしいのかで、相談したい内容も変わります。

2実例を会社の評価に直結させず、次に確かめることを整理する

ホームランディックの一邸では、土地購入前に設計図を示すという検討の順序が確認できました。裸の家(hadashinoie)の一邸では、扉を開ける暮らし方に合わせた内装や、ベッドに合わせたコンセントなど、細部を決めた理由が確認できました。

ただし、前者は土地相談だけが得意で、後者は内装だけが得意だという比較ではありません。動画で語られた内容が異なるため、片方に説明がないことを、その会社が対応していない証拠にはできません。まずは「この一邸では何を確認できたか」として記録します。

施工事例を見比べるメモには、「具体策」「その理由」「次に聞くこと」の3欄をつくってみてください。たとえばベッドに合わせたコンセントなら、具体策は位置と高さの調整、理由はベッドの配置、次の質問は家具情報を伝える時期です。見た目の印象を、相談できる内容へ変えるための整理です。

そのうえで同じ会社の別事例を見て、似た条件でも同じ考え方が使われているかを探します。形が違っていても、家具の使い方から設備を決める説明が繰り返されていれば、その進め方を質問できます。反対に、同じ柄や設備が並んでいても、採用理由が分からなければ会社の方針とは決めつけないようにしましょう。

最後に、会社に共通する手順なのか、担当者や案件によって変わる対応なのかを直接確認します。複数の事例を見る目的は、会社らしさを言い当てることより、自分たちにも必要な提案を、どの条件で受けられるかを確かめることです。

打ち合わせで確認したいこと

  • 気に入った事例について、土地の決定・会社への相談・最初の図面提案は、どの順番で進みましたか。
  • 私たちの候補地でも、購入前に建物の案を見せてもらえますか。図面の内容、費用、依頼条件はどうなっていますか。
  • 土地と建物を検討する中で、希望予算と上限をいつ共有し、どの段階で費用を確認できますか。
  • 事例で紹介された相談手順は、会社に共通するものですか。担当者や案件によって変わる部分はありますか。
  • 普段開けておく扉と閉める扉を図面上で分けたとき、天井や壁の見え方はどう変わりますか。空調面の条件も別に確認できますか。
  • ベッドや机の位置・高さは、いつまでに伝えればコンセント計画へ反映できますか。
  • 気に入ったクロスは、住まい手の要望、担当者の提案、会社の標準的な選択肢のどれから決まりましたか。
  • 似た土地条件や暮らし方の別事例を見せてもらえますか。その事例では、今回と同じ考え方を使った点と変えた点は何ですか。

一邸で見つけた工夫は、まずその家の条件と理由に結び付けて読みましょう。そこから同社の別事例を探し、自分たちにも適用できるかを聞くと、見た目の好みだけではない会社選びにつながります。紹介した実例を見返すときも、好きな場面と一緒に「なぜそうしたか」をメモしてみてください。

実例を詳しく見る

あわせて読みたい記事

パナソニック ホームズ『フォルティナ MyFit』発売|3,500万円前後の規格住宅で確認したいこと

パナソニック ホームズが20〜30代の住宅一次取得者層を主な対象に、規格型商品『フォルティナ MyFit』を発売。参考価格3,500万円前後の前提、選べる仕様、契約前に確認したい費用を公式資料から整理します。

記事を読む →