HOUSE TAG JOURNAL

室内窓は何のために付ける?光と視線のつなぎ方を比べる3実例

HOUSE TAG編集部 · 公開
この記事の内容
  1. K-LIVING(川堀工務店)・和モダンの家|リビング側の光を別の場所へ届ける
  2. 株式会社アーキテクト・フレームハウス|奥への採光と外からの見え方を整える
  3. エスコネ(S.CONNECT)・平屋の実例|南側の光と高い天井への視線をつなぐ
  4. 3実例の違いは、光の届け先と見え方の基準
  5. 打ち合わせで確認したいこと

帰宅して靴を脱ぐ場所に、もう少し自然の光が欲しい。机に座ったとき、目の前の壁だけでなく、その先にも視線が抜けてほしい。そんな希望から室内窓を考えるなら、枠の色や形を選ぶ前に、どこから光を取り入れ、何を見せたいのかを整理してみませんか。

今回紹介する3実例では、室内窓に持たせた役割が異なります。K-LIVING(川堀工務店)はリビング側の光を別の場所へ届けるために、株式会社アーキテクトは奥の部屋への採光と外から見た高さを両立させるために採用。エスコネ(S.CONNECT)は、南側の光に加え、座った位置から高い天井へ伸びる視線も意識しています。

見た目が好みでも、自宅で同じ役割を持たせられるとは限りません。実例ごとに、光を届ける先と窓の向こうに見えるものを分けて確認すると、位置や高さを相談する手がかりになります。

K-LIVING(川堀工務店)・和モダンの家|リビング側の光を別の場所へ届ける

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リビングを光の取り入れ元として考える

K-LIVING(川堀工務店)の実例では、リビング側からの光を紹介している場所まで届けるために、室内窓を設けたと説明されています。採用理由として挙げられているのは、窓の意匠ではなく、リビング側の光を通すことです。光の取り入れ元と届け先を、室内窓でつなぐ計画になっています。

ここから読み取れるのは、明るくしたい場所だけでなく、光を受け取る相手側の部屋にも目を向ける考え方です。自宅で検討するなら、まず図面に光を届けたい場所を記し、そこから見てリビングがどの方向にあるかを確認してみてください。窓の形を選ぶ前に、どの壁を通して光を届けたいのかを相談できます。

光を届ける先の使い方まで、図面に書き込む

室内窓の説明に続き、天板にボウルを入れた手洗いも紹介されています。ただし、この場面の説明だけでは、室内窓が手洗いの真上にあるのか、光を届ける先が何という部屋なのかまでは確定できません。確認できるのは、リビング側の光を届ける目的で室内窓を設けたことです。

この実例を参考にする際は、手洗いと窓の配置をそのまま写すのではなく、光を届けたい先での動作を整理するとよいでしょう。手を洗う場所なら立つ位置を、通路なら歩く経路を図面に書き込みます。そのうえで、どこまで明るさを期待するのかを施工会社と共有してください。

「リビングから光を入れたい」と「使う場所に必要な明るさがある」は、分けて確認したいことです。 この家で語られた採用理由を、自宅での明るさの保証として受け取らず、普段使う位置と時間帯に合わせて検討しましょう。

株式会社アーキテクト・フレームハウス|奥への採光と外からの見え方を整える

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室内窓の高さを、外からの見え方でも決める

株式会社アーキテクトの実例では、FIX窓から室内窓が見えるように、高さと位置を考えて取り付けたと説明されています。外から見たときに、よい高さになることも意識されています。室内の壁面だけで配置を決めるのではなく、外の窓を通して室内窓がどう見えるかまで検討しているのが特徴です。

ここから読み取れるのは、室内窓にも屋外から眺める視点があるということです。内装としてのバランスを確認するだけでなく、外窓との位置関係も見たいところ。自宅でも外から室内窓が見える計画なら、どこに立って見た姿を整えたいのかを決め、立面図や外観のイメージで確認してみましょう。

平面図では二つの窓が向かい合っていても、その図だけで高さの重なりまでは判断できません。打ち合わせでは、外窓と室内窓を同じ視点から見た図を用意してもらうと、見せたい位置を具体的に伝えやすくなります。

奥の部屋へ光を送る役割も重ねる

この室内窓には、奥の部屋へ光を入れる役割もあると説明されています。外から見た高さを整えることと、奥へ光を通すことを、一つの窓に持たせています。ただし、奥の部屋の用途や、ガラスの仕様、奥の部屋側でどこまで視線を遮る計画なのかは、この場面だけでは分かりません。

参考にしたいのは、採光と見え方を別々の窓で考えるのではなく、同じ位置で両立させようとしている点です。自宅では、まず奥の部屋のどこへ光を届けたいかを決め、その位置が外からどう見えるかを重ねて確認してみてください。二つの希望を図面上で照らし合わせると、高さを決める際の優先順位を話し合えます。

なお、外から室内窓が見えることと、奥の部屋の中までどのように見通せるかは同じではありません。窓を見せたいという希望だけで判断せず、奥の部屋で過ごす人の位置からも確認しましょう。採光の希望と、見せたい範囲・見せたくない範囲を一緒に伝えることが大切です。

エスコネ(S.CONNECT)・平屋の実例|南側の光と高い天井への視線をつなぐ

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西側に接した空間へ、南側のリビングから光を入れる

エスコネ(S.CONNECT)の平屋では、室内窓の向こうにあるリビングが南側に位置しています。一方、光を届ける側は南側に接しておらず、基本的に西側に接した空間です。そこで、南側からリビングに入った光を、室内窓を通して柔らかく取り入れる意図が説明されています。

この実例では、単に隣の部屋へ光を通すだけでなく、どの方角から入る光を利用するかまで具体的です。西側に接しているという説明を、外に面していない部屋だと読み替えないことも大切です。自宅で考えるときも、その部屋の外壁の向きと、光を取り入れたい隣室の向きを分けて図面に記してみましょう。

座った視線を、勾配天井の高い方へ伸ばす

もう一つの採用理由は、座ったときの視線です。リビングの勾配天井は南側へ向かって高くなっています。室内窓を設けた側に座ると、窓越しに天井の木が見え、さらに高い方へ視線が伸びるようになっていると説明されています。光とともに、隣の空間の天井も視界に取り込む構成です。

この実例で注目したいのは、窓そのものより、座った位置から窓の先に何が見えるかです。 自宅で机や椅子の近くに室内窓を設けるなら、家具の位置を仮に決め、座った目線から見たい天井まで線を引いてもらいましょう。立って眺めたときの印象だけで位置を決めないための確認になります。

広さではなく、視界のつながりを検討する

この場所は広いスペースではないと説明され、天井の高い方へ視線が伸びることで、窮屈な感覚が薄れると紹介されています。これは動画内で語られた感じ方の説明であり、室内窓を付ければどの部屋でも同じように感じると示したものではありません。光と視線の両方をつなぐことが、採用の狙いになっています。

自宅で同じ考え方を取り入れるなら、まず窓の向こう側に何があるかを確かめたいところです。高い天井を見たいのか、木の仕上げを眺めたいのかを具体的に伝えてください。勾配天井があるだけで満足せず、普段座る位置からその部分が見えるかまで確認すると、この実例の工夫を自宅の条件に置き換えられます。

3実例の違いは、光の届け先と見え方の基準

K-LIVING(川堀工務店)で説明されているのは、リビング側から別の場所へ光を届ける役割です。株式会社アーキテクトは、奥の部屋への採光に加え、外から室内窓を見たときの高さも調整しています。両者とも光を通す目的がありますが、後者は外からの見え方も位置決めの条件になっています。

エスコネ(S.CONNECT)は、南側のリビングから西側に接した空間へ光を取り込む計画です。さらに、座った目線から木の勾配天井が見え、高い方へ視線が伸びるようにしています。こちらは、室内で過ごす姿勢と窓の先の天井が、配置を考える手がかりになっています。

比較するときは、どの窓が最も開放的かを決めるより、光を届けることに加えて何を実現したいかを整理してみましょう。外から窓を見せたいのか、室内から隣の天井を見たいのかでは、確認する視点が異なります。採光と視線をひとまとめにせず、それぞれの出発点と届け先を図面に書き込むことから始められます。

打ち合わせで確認したいこと

  • 室内窓で光を届けたいのはどこですか。その場所で手を洗う、通る、座るなどの動作と、人の位置を図面に記せますか。
  • 光の取り入れ元はどの部屋ですか。その部屋から届け先まで、どの壁を通して光をつなぐ計画ですか。
  • 光を届けたい場所を普段使う時間帯に、どの程度の明るさが見込めるか確認できますか。
  • 外から室内窓を見せたい場合、どこに立って見た姿を整えたいですか。外窓との高さの重なりを図で確認できますか。
  • 奥の部屋への採光と外からの見え方で、希望する窓の位置が異なる場合は、どちらを優先しますか。
  • 奥の部屋で人が過ごす位置から、どこまで見せたいですか。反対側からの見通しも含めて確認できますか。
  • 南側に接していない空間へ光を届ける場合、隣室のどの方角から入る光を利用する計画ですか。
  • 座って使う場所では、椅子の位置から窓越しに何を見たいですか。勾配天井や木の仕上げまで視線が届くか、断面図などで確認できますか。

室内窓を考えるときは、まず「どこからどこへ光を届けるか」、次に「どの位置から何を見たいか」を整理してみてください。役割を具体的にすると、窓の位置や高さを相談しやすくなります。関連する実例を見る際も、窓単体のデザインだけでなく、両側の部屋と人が過ごす位置を合わせて確かめてみましょう。

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