猫と暮らす家は「まとめる場所」と「離す設備」をどう決める?実例に見る配置の考え方
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猫と暮らす家を考えるとき、先に思い浮かぶのはトイレや食事の置き場所かもしれません。けれど毎日の負担になりやすいのは、砂を替えるときに手が届くか、書類やコードが床まわりに散らばらないか、といった世話や片づけの動きです。
今回見る2つの実例では、一方は階段下の猫スペースに小さな猫用扉があり、人がお世話をするときは別の開口から入るつくりとして紹介されていました。猫スペース内の換気についても同じ場面で説明されています。もう一方は、壁面のホワイトボードに書類を貼って使い、収納の一番上にインターネット関係をまとめる場所があり、コンセントは高めだと話題にされていました。
同じ『猫と暮らす家』でも、何を一か所に集めるか、何を低い位置から離したいかは家によって違います。今回は、その違いを実例ごとに見ていきます。
デザイエの住宅|猫スペースをまとめ、世話と換気を一緒に考えた家
住み始めてから足すのではなく、最初から猫の場所を決めていた
この住宅では、今は夫婦と猫が暮らし、将来は子どもも想定していることが紹介されています。そのうえで、当初から猫と一緒に住む前提の家だと説明されていました。
ここから読み取れるのは、猫の場所を『最後に余った所へ置くもの』としてではなく、家族の暮らしの一部として最初から扱っていることです。猫と暮らす前提がはっきりしているなら、先に置き場を一つ決めるだけでなく、その場所で何を済ませたいのかまで考えておくと、あとから無理が出にくくなります。
階段下にまとめつつ、猫の出入りと人の掃除の入口を分ける
猫スペースは階段下に設けられ、小さな扉から猫が出入りするつくりとして紹介されていました。さらに、人がお世話をするときは別の開口から入り、トイレ掃除や砂の入れ替えをする説明もあります。つまり、猫が普段使う入口と、人が管理のために使う入口を同じにしていません。
この分け方で見えてくるのは、『猫が通れること』と『人が手入れできること』を別の条件として整理している点です。落ち着ける場所を優先して奥に寄せるだけでは、掃除のたびにかえって負担が増えることがあります。自宅で考えるときも、猫の安心感と同じくらい、人が無理なく手を入れられるかを確認したいところです。
トイレの位置と換気を切り離さずに考えていた
同じ説明の中で、猫トイレがあるとにおいが気になるだろうという話があり、猫スペースの中に換気を取っていると紹介されていました。加えて、換気扇のほかに空気環境に関わる機能も入れていると説明されています。
大事なのは、トイレだけを隠して終わりにしていないことです。まとめた場所ほど、においと掃除の問題も一緒に集まります。だからこそ、この家では猫の居場所を小さな設備空間のように扱っていると考えられます。猫トイレの候補場所を見るときは、見えにくさだけでなく、その場で換気を取りやすいか、人が入って掃除しやすいかも一緒に見ておくと判断しやすくなります。
LibWorkの平屋|床まわりに散りやすい物をまとめ、届きやすい設備を離して考えた家
書類は床に置かず、壁面で扱う
この平屋では、旦那さんが家で仕事をする機会が多く、廊下まわりの壁面にホワイトボードを設けていると紹介されていました。印刷したものは磁石で貼って、ボード代わりにも使うと説明されています。その流れで、猫を飼っている家だから、書類は下に置くより貼っている方が安心だと動画内で語られていました。
ここで面白いのは、猫専用の部屋を増やす話ではなく、人の仕事道具の置き方を変えていることです。猫と暮らす家では、散らかった物をあとから片づけるより、最初から床に置かなくて済む方法をつくる方が合う場合があります。在宅ワークや学校のプリントが多いなら、猫の通り道の近くに『とりあえず置き』を残さない仕組みがあるかを考えてみたいところです。
通信機器は収納の上部に寄せて、置き場を決めていた
同じ家では、収納の一番上にコンセントがあり、インターネット関係をまとめる場所になっていると説明されていました。あわせて、日用品のストックを置く収納としても紹介されていました。
この説明自体は猫対策だと断定されていません。ただ、機器や配線を床近くや家具の脇に分散させず、最初から『ここに集める』と決めている点は参考になります。コードや周辺機器が散りやすい家ほど、どこへ寄せるかを先に決めた方が、見た目だけでなく掃除のしやすさも整理しやすくなります。
コンセントは高めに見える位置で紹介されていた
主寝室の案内では、出演者が各所のコンセントが高めだと話題にし、猫と一緒に住む家なので、低い位置だと猫がかじったり、異物が入ったりして火災の原因にもなり得るためではないか、と説明していました。動画内では、この点は確定した設計意図としてではなく、『そうした工夫なのではないか』という見方で語られています。
そのため、この家から言い切れるのは『高めのコンセントがあり、猫への配慮として紹介されていた』までです。ただ、猫と暮らす住まいで、差し込み口の高さやコードの届きやすさを一緒に考える視点は残ります。打ち合わせでは、数や位置だけでなく、ベッドや棚を置いたあとでも猫が届きやすいか、コードがぶら下がるかまで確認すると、あとから対策を足すより話が具体的になります。
2つの家を比べると、『何をまとめるか』と『何を低い位置から離すか』が違っていた
デザイエの住宅では、階段下に猫スペースを設け、小さな猫用扉とは別に人が世話をするための入口を取り、猫トイレのにおい対策として換気も同じ場所で説明されていました。
LibWorkの平屋では、書類を壁面で扱い、通信機器を収納上部にまとめ、コンセントは高めに見える位置にあり、猫への配慮ではないかと話題にされていました。
前者が一か所に集めていたのは、猫トイレと世話の動作です。後者が整理していたのは、紙や配線、差し込み口のように、床まわりに広がると扱いにくい物や気になりやすい設備でした。
つまり、猫と暮らす家で先に決めたいのは、『猫専用の場所をつくるか』だけではありません。掃除や補充まで含めてまとめたいものは何か。逆に、床や低い位置から離したいものは何か。その整理によって、必要な収納や設備位置は変わります。
見た目の似た工夫をそのまま写すより、その家が何を楽にしたかったのかをつかむ方が、自宅の打ち合わせでは使いやすくなります。猫トイレの管理が負担なのか、書類やコードの散らかりが気になるのかで、優先する場所は同じではありません。
打ち合わせで確認したいこと
- 猫トイレは、猫が落ち着ける場所と、人が掃除や砂の入れ替えをしやすい場所を両立できているか。
- 猫用スペースをまとめるなら、その場所で換気や空気の逃がし方まで一緒に考えられているか。
- 書類、充電器、ルーターなど、猫に触れてほしくない物は床や低い台の上に残っていないか。
- コンセントやコードは、家具を置いたあとでも猫が届きやすい位置になっていないか。
- 『猫のための場所』を増やす前に、人の世話や片づけの手間を減らせる配置があるか。
猫と暮らす家の配置は、猫の居場所を増やすことだけでは決まりません。トイレや世話を一か所にまとめたいのか、紙やコード、コンセントのような設備を低い位置から離したいのか。まずそこを分けて考えると、必要な間取りや設備の優先順位が見えやすくなります。実例を見るときも、『何がある家か』だけでなく、『なぜそこに集めたのか、なぜそこから離したのか』まで確かめてみてください。
