階段下収納は何を入れる?3実例で考える、場所と出し入れからの決め方
この記事の内容
間取り図に階段下収納があると、「何か入れられそう」と安心するかもしれません。でも、犬の世話に使う物をしまうのか、好きなお酒を置くのかでは、確かめたい場所も動作も違います。物が収まるだけでなく、使うときに取り出し、戻せるかまで考えてみませんか。
今回は、階段下を含めて空間を無駄なく使うせやま印工務店、犬の居場所と用品収納を組み合わせた株式会社 夢広、お酒のための場所にしたエムズホームの実例を紹介します。収納量、世話をする動き、置きたい物という、それぞれの優先事項を比べます。
比較の後には、収納の用途と設置場所、扉の開閉と共有収納を扱う解説も取り上げます。階段下専用の解説ではありませんが、自宅の収納計画を見直すための補助線として読み進めてください。
せやま印工務店・回遊動線と収納を充実させた家|階段下も使い、空間を余らせない
家全体の空間活用の一つとして階段下を使う
この家は、建物を大きくせずに回遊動線と収納を充実させた二階建てとして紹介されています。終盤の説明では、空間を無駄なく使う工夫として、階段下の活用と天井までの高さの活用に触れています。
ここから読み取れるのは、収納のために場所を増やすだけでなく、家の中で使える空間を探す視点です。自宅でも、収納が足りないと感じたときは、別の場所を広げる案と階段下を使う案を並べて検討してみてください。
空間を使う方針と、入れる物の適性は分けて考える
一方、この場面では階段下に何を入れるか、どちらから出し入れするかまでは説明されていません。また、天井まで高さを使うという説明を、階段下収納そのものの仕様と結び付けることはできません。
この実例は、特定の収納物の見本ではなく、空間の使い方を見直すきっかけとして捉えたいところです。図面上では、階段下へ移したい物を挙げ、その物を使う場所と出入口を結んでみましょう。空間が空いているという理由と、そこへしまいたい理由を分けて確認できます。
株式会社 夢広・犬と暮らす家|世話をする場所と用品収納を近づける
犬の居場所だけでなく、人が入る部分も確保する
この家では、階段下に犬専用のスペースを設けています。ただし、階段下だけを使うと狭くなりがちなため、人が入る部分は上を開けたと説明されています。想定しているのは、内部へ入って掃除や餌やりをする動きです。
注目したいのは、犬が過ごせるかだけでなく、世話をする人が入れるかも計画に含めている点です。自宅で同じ用途を考えるなら、犬の居場所を図面に描くとともに、人がどこから入り、どこに立つかも確認しましょう。収納を取れる範囲は、その動きと一緒に決めたいところです。
上まで開ける案から、用品を近くにしまう案へ
当初は犬のために上まで開ける案もありました。しかし、犬用品を近くに収納したいという要望があり、収納を設ける計画になったと語られています。犬の居場所を広く開けることだけを優先せず、用品の置き場も組み合わせています。
この経緯から読み取れるのは、空けておきたい場所と、しまうために使いたい場所を調整する考え方です。犬用品をどこか別の部屋に置く案も含めて、世話の際に何を持ってくるかを書き出してみてください。近くに必要な物が決まれば、収納へ割り当てたい部分も相談しやすくなります。
収納の近さに加えて、取り出す側を確かめる
犬用品の収納は、両側から使えると紹介されています。ただし、この場面の説明だけでは、それぞれの側がどの部屋や通路に面しているかまでは確定できません。収納物の具体的な内訳も語られていません。
自宅へ取り入れるときは、両側から使える形だけをまねるのではなく、用品を取り出す人がどちら側にいるかを考えましょう。補充するときと世話をするときで使う側を変えたいのか、一方向から取れれば足りるのか。必要な出入口を、実際の動作から選ぶことが大切です。
エムズホーム・共働き夫婦の家|一般的な収納より、お酒のための場所を優先
収納にする前に、置きたい物を聞いている
この家の階段下では、一般的な収納をつくることが多い場所だと説明したうえで、今回は収納として使うかを相談した経緯が紹介されています。その際に出たのが、ワインセラーやお酒を置く場所が欲しいという希望でした。
その希望を受けて、階段下をお酒のためのスペースにしています。収納を設けてから中身を考えるのではなく、置きたい物が先に挙がり、その置き場所として階段下が選ばれた実例です。
物をしまうだけでなく、楽しむ場所として考える
この場面の前には、ここで日々お酒を楽しむことについてのやり取りがあります。階段下の説明も、好きなお酒のスペースにしてよかったという話につながっています。単なる保管場所ではなく、お酒を楽しむ暮らしと結び付けて紹介されています。
ここから読み取れるのは、階段下を必ず汎用的な物入れにする必要はないということです。趣味の物を置きたい場合は、取り出して別の場所へ運ぶのか、その場で楽しみたいのかを分けてみましょう。自分がそこでどう過ごしたいかまで伝えると、収納という言葉だけでは伝わらない要望を相談できます。
用途を絞るなら、ほかの物の行き先も確認する
動画で確認できるのは、ワインセラーやお酒を置きたいという希望と、階段下をその用途に選んだ経緯です。ワインセラーの設置条件や、ほかの日用品をどこへ収納しているかまでは、この場面では説明されていません。
自宅で専用の場所にするなら、そこへ入れるつもりだった日用品の行き先も一緒に整理しましょう。お酒の置き場をつくる案と、一般的な収納にする案を比べ、どちらの用途を階段下に置きたいかを決めるためです。機器を置く場合は、使用する製品に合わせた設置条件を別途確認してください。
3実例の違いは、空間を使う・世話を支える・好きな物の場所をつくる
せやま印工務店の実例では、階段下は家全体の空間を無駄なく使う工夫の一つです。ただし、収納物や取り出し方までは説明されていないため、具体的な中身を選ぶ見本とは分けて捉える必要があります。
株式会社 夢広の実例は、犬の世話をする人が入れる空間と、近くに用品をしまう場所を両立しています。エムズホームの実例は、ワインセラーやお酒の置き場が欲しいという希望から用途を決めています。前者は世話の動作、後者は置きたい物と楽しみ方が具体的です。
比較するときは、収納量の多さで順位を付けるのではなく、自宅でどの役割を優先したいかを考えてください。物をしまう部分、人が入る部分、その場で過ごす部分を図面に書き分けると、階段下をどこまで収納にするかを話し合いやすくなります。
住宅系YouTuberはこう解説している
家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】|収納量だけでなく、用途に合う形と場所を考える
用途が違えば、必要な棚も違う
この解説では、収納はとりあえず付ければよい、多ければよいという考え方に疑問を投げかけています。クローゼット、パントリー、本棚を例に挙げ、用途によって必要な棚の奥行きや幅が変わると説明しています。
階段下を検討する際も、まず収納したい物を具体的に挙げてみてください。何を入れるかが決まらない段階では、棚をどう設けるかも決め切らず、物の形と取り出し方を照らし合わせて相談したいところです。
収納の場所も、動線の検討に含める
さらに、棚の形だけでなく収納の設置場所も検討事項に挙げ、計画を誤ると動線が悪くなると指摘しています。これは家全体の収納に関する解説であり、階段下を特定の用途に勧める発言ではありません。
自宅では、入れたい物の一覧に「使う場所」も書き添えてみましょう。階段下から取り出してどこまで運び、使い終えたらどこを通って戻すのか。その往復を見てから、階段下へ入れる物を選ぶ方法もあります。
住宅四天王 エース【ハウスメーカー選びの専門家】|扉を開ける範囲と、収納をまとめる場所を見直す
収納の内側だけでなく、開閉する場所を見る
この解説は、寝るための個室についての話です。収納に扉を付けるなら、開いたときにベッドとぶつからないようにする必要があると述べ、扉をなくす方法も挙げています。
階段下の仕様を説明する発言ではありませんが、開閉する範囲を図面で確認する視点は参考になります。収納の内側に物が入るかに加えて、扉を開いた状態で人がどこに立ち、どう取り出すかも描いてみてください。
共有収納にまとめる案も、使う場所と照合する
同じ話の中では、各個室に収納を設ける代わりに、二階に家族共用の本棚や衣類をまとめるクローゼットを用意する案も勧めています。個室ごとに収納を付けることだけを前提にしない提案です。
ただし、この提案から階段下が共有収納に適しているとは断定できません。自宅で候補にするなら、誰が使う物をまとめたいのか、その人がどこから取りに来るのかを確認しましょう。集める場所と使う場所をセットで比較することが必要です。
打ち合わせで確認したいこと
- 階段下に入れたい物は何ですか。それぞれを使う場所と、取り出して戻す経路を図面で確認できますか。
- 階段下を使う目的は、収納場所を補うこと、世話に必要な物をまとめること、趣味の場所をつくることのどれですか。
- 人が内部に入って掃除や世話をする計画なら、どこから入り、どの部分で作業しますか。
- 犬の居場所と用品収納を組み合わせる場合、上を開けておきたい部分と収納に使う部分をどう分けますか。
- 両側から使える収納が必要ですか。補充する側と取り出す側を、具体的な動作で説明できますか。
- 趣味の物は保管するだけですか。その場で楽しむなら、人が過ごす場所も含めて計画できていますか。
- 階段下を専用の用途にした場合、そこへ入れる予定だった日用品はどこにしまいますか。
- 収納扉を開いた状態で、周囲の家具とぶつからず、人が立って出し入れできますか。
- 家族共用の物をまとめる場合、各部屋に置く案と比べて、誰がどこから取りに来る計画になりますか。
階段下収納は、空いた場所を埋める前に、入れる物と使う人の動きを重ねて考えたい場所です。紹介した実例を見返すときも、収納の形だけでなく、何を優先してその使い方にしたのかに注目してみてください。自宅の図面には、収納物に加えて、取り出す位置と人が動く範囲を書き込んで打ち合わせへ持っていきましょう。
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