東海オンエア・てつやの積水ハウス新居を住宅目線で読む|来客・家族・仕事を分けた間取り
この記事の内容
玄関に入った瞬間から印象に残る中庭、飾るために用意した場所、家族が過ごすLDK、編集や配信のための仕事場。東海オンエア・てつやさんの新居は、設備の豪華さだけでなく、誰が、どこで、何をするのかを空間ごとに分けた家として見ると特徴が分かりやすくなります。
今回扱うのは、てつやさん本人が完成した家を詳しく案内した動画と、後日、東海オンエアのメンバーが実際に訪れた動画です。別々の二軒ではありません。本人の説明からは計画時の意図を、再訪動画からは人を招いたときに空間がどう見えるかを読み取ります。
ENCOUNTは、この新居を積水ハウスによる一軒家と報じています。この記事では、積水ハウスという施工会社名は確認できた情報として扱い、建築費や延床面積など公表されていない数値は推測しません。
てつや本人の初公開|「見せる場所」と家族の場所を段階的に分ける
玄関を通路ではなく、最初の滞在場所にする
動画では、玄関へ入ると中庭が目に入ること、廊下にカーペットを採用したこと、長く飾りたかったもののために専用の場所をつくったことが説明されています。玄関を靴の脱ぎ履きだけで終わらせず、家の雰囲気や好きなものを最初に伝える空間として扱っています。
ここで参考になるのは、広さそのものではなく、来客に最初に何を見せたいかを先に決めている点です。中庭、展示、腰掛ける場所のどれを主役にするかで、必要な壁面や照明、玄関から室内へ向かう視線は変わります。飾りたい物があるなら、完成後に空いた壁へ置くのではなく、設計時に寸法や見え方を確認しておく必要があります。
家族のLDKに、子どもの居場所と収納を組み込む
LDKのそばには子どもが遊ぶ場所があり、子どもの物を入れる収納もまとめられています。壁紙は子どもっぽさだけに寄せず、成長後も大人が楽しめる雰囲気を意識したと説明されています。家族の変化を前提に、今の使い方だけで内装を固定しすぎない考え方です。
一方、キッチンには飾るための石材や照明、使うときに現れる鉄板が採用されています。鉄板は、料理をつくる人だけの設備ではなく、家族へ料理を振る舞う場として語られていました。つまり、このLDKでは「子どもが遊ぶ」「物を片付ける」「料理を見せる」が同じ大きな空間の中にありながら、それぞれの場所は曖昧にされていません。
自宅へ置き換えるなら、LDKを広くすることだけでなく、遊び、収納、食事、来客のどれが同時に起きるかを考えたいところです。複数の行動が重なるなら、物の置き場や視線の抜けまで図面上で分けて確認した方が、広さを使い切りやすくなります。
家族領域は、洗濯・収納・個室まで連続させる
家族側の動線では、ランドリールームからウォークインクローゼットへつながる扉が紹介されています。洗った物を収納へ運ぶ流れを短くし、その先に寝室や子ども部屋などの家族空間をまとめています。また、動画では認証を境に、家族以外は基本的にLDKまでという考えも説明されていました。
ここから読み取れるのは、来客を拒むための分離ではなく、見せる場所と日常の場所を最初から決めていることです。来客がLDKまで入れるなら、洗濯物や衣類収納、個室へ向かう家族の動線をどこで切り替えるかが重要になります。扉を一枚設けるだけでも、来客中に家族がどこを通るか、収納へ何を運ぶかまで確認しなければ、生活動線の使いやすさは判断できません。
仕事と趣味は、専用室ごとに必要な配線を変える
仕事側には編集室、モニターを確認する部屋、配信室が設けられています。編集室では機器を扱いやすくするコンセントの向きや収納、配信室では壁の中へコードを通してモニター周辺から配線を見せない仕組み、将来機器を増やすためのコンセントが説明されています。
単に部屋数を増やしたのではなく、編集、保管、配信という作業を分け、それぞれに必要な背景、配線、収納を用意しています。在宅ワークの部屋を考える際も、「仕事部屋が欲しい」で止めず、使う機器、画面の数、撮影の有無、収納する物、オンライン会議で映る背景まで書き出すと、必要な壁や電源の位置を具体化できます。
東海オンエアの再訪|人を招いたときに見えた空間の使われ方
玄関と展示が、来客の行動を自然に止める
再訪動画では、メンバーが玄関へ入ると、広さやカーペット、展示のためにつくられた場所に反応しています。腰掛けられる場所についても、ホテルのチェックインのようだという会話が生まれていました。本人が「見せたい場所」として計画した玄関が、実際の来客を立ち止まらせ、会話を始める場所になっていることが分かります。
住宅の玄関は通過時間が短い場所ですが、来客を迎える頻度が高い家では、案内を待つ場所、荷物を置く場所、飾りを見る場所が必要になることがあります。ベンチや展示壁を置くなら、それ自体の有無だけでなく、玄関扉を開けた人の立ち位置や、家族が横を通れる幅も一緒に考える必要があります。
LDKでは「使う設備」が会話の中心になる
メンバーがLDKへ進むと、子どもの遊び場と収納、壁面、キッチンの石材、鉄板などが順に話題になります。鉄板については、てつやさん自身が使いたかったことに加え、料理を振る舞う場面が語られています。見た目の強い設備であっても、誰がどう使うのかが説明できるため、単なる装飾として終わっていません。
ただし、印象的な設備ほど日常の使い方を別に確認したいところです。準備と片付け、周囲への油はね、使わないときの天板、収納との距離など、動画だけでは分からない点もあります。採用を検討する場合は、「人に見せたい」だけでなく、普段どの頻度で使い、誰が手入れするかを打ち合わせで具体化する必要があります。
来客が入れる場所の先に、家族の生活を守る境界がある
再訪動画でも、玄関からLDKまでは人を招く場所で、その先を家族側の領域とする説明が出てきます。洗面や浴室、収納など生活感が出やすい場所を、来客が過ごす空間から一段奥へまとめる構成です。
この分け方は、すべての家庭に必要なものではありません。来客が少ない家なら、境界を増やすより家族の最短動線を優先する方が合う場合もあります。反対に、友人や仕事関係者を迎える機会が多いなら、トイレや手洗いをどこまで案内するか、来客中に家族が水回りへ移動できるかを先に決めると、必要なゾーニングが見えやすくなります。
専用室は「見せるため」だけでなく、行動を完結させる
再訪動画の後半では、編集室やサウナなど、用途を絞った空間にもメンバーが入っています。本人の詳細動画と合わせて見ると、専用室は設備の存在を見せるだけでなく、編集なら機器の保管から作業まで、サウナなら入浴後の休憩や中庭への移動まで、一連の行動を近くで完結させるよう考えられています。
専用室を検討するときは、部屋名から考えるのではなく、その前後に何をするかを書き出す方が実用的です。仕事室なら機材を取り出す場所と片付ける場所、趣味室なら準備と清掃、外部空間を使うなら雨天時や夜間の移動まで確認すると、専用室が本当に必要か、兼用できるかを判断しやすくなります。
同じ家を二つの動画で見ると、設計意図と来客時の反応を分けて考えられる
本人の詳細動画では、飾りたい物、家族の暮らし、仕事、趣味に合わせて、なぜその場所をつくったのかが説明されています。再訪動画では、初めて入った人がどこで立ち止まり、何を見て、どこまで案内されるのかが見えます。
二つを重ねると、この家は全体を同じ調子で豪華にしたのではなく、玄関とLDKは人を迎える場所、奥は家族の生活、さらに仕事と趣味は専用の場所として段階的に分けていると整理できます。注文住宅で参考にしたいのは設備の数ではなく、自分たちが家へ招く人、家族だけで守りたい場所、集中したい作業を先に分類することです。
打ち合わせで確認したいこと
- 玄関へ入った人に、最初に何を見せたいですか。中庭、展示、LDKのうち優先するものは決まっていますか。
- 来客を案内する範囲はどこまでですか。LDK、手洗い、トイレまでの経路を図面上でたどれますか。
- 来客中に家族が洗面、浴室、収納、個室へ移動するとき、来客動線と交差しませんか。
- LDKで同時に起きる「遊ぶ・片付ける・料理する・食べる」に、それぞれ物の置き場がありますか。
- 子ども向けの内装や収納は、成長後にどのように使い替える予定ですか。
- 見せる設備や展示場所は、日常的な手入れと片付けまで担当者を想定できていますか。
- 仕事室で使う機器、配線、収納、背景、音を一覧にし、コンセント位置と壁内配線を確認しましたか。
- 趣味の専用室は、準備から片付けまで一つの場所で完結しますか。別の部屋と兼用できない理由は明確ですか。
- 中庭はどの部屋から、どの時間帯に使いますか。方角、外周、手入れ、費用を施工会社と比較しましたか。
てつやさんの新居は規模も用途も一般的な住宅とは異なります。それでも、来客・家族・仕事・趣味を混ぜず、それぞれの行動から場所を決める順序は、注文住宅の打ち合わせにも応用できます。設備名を並べる前に、誰がどこまで入り、そこで何をして、その前後にどこへ動くのかを家族で共有しておくことが大切です。
