外干し中心と乾燥機中心で収納の位置はどう変わる?乾かし方から考える戻し先
この記事の内容
乾燥機から出したタオルは、どこへしまうでしょうか。外から取り込んだ服は、どの部屋へ運びますか。「洗濯を楽にしたい」と考えるときは、乾かす方法だけでなく、その後の戻し先まで図面に書き込んでみたいところです。
今回紹介するエスコネ(S.Connect)の家では、乾燥機と室内干しを併用する計画に合わせ、脱衣室の真横をウォークインクローゼットにつないでいます。一方、住宅系YouTubeの二つの解説は、外干し場までの経路や、部屋干しを基本に外干しもできるようにする案を扱っています。
外干し中心の家と乾燥機中心の家を、そのまま比べる記事ではありません。収納までのつなぎ方は実例で、外干しを組み込む際の確認点は解説で確かめます。そのうえで、自宅では何をどこで乾かし、どこへ戻すかを考えていきましょう。
エスコネ(S.Connect)・一階完結型の家|乾いた衣類を回り込まずに収納へ戻す
乾燥機にかける物と、室内に干す物を分ける計画
この家では、乾燥機付きのドラム式洗濯機を置く予定だと説明されています。タオルなど乾燥機にかけられる物は機械で乾かし、入れられない物は同じ脱衣室で室内干しする想定です。乾燥機だけで全てを処理するのではなく、衣類に応じて乾かし方を分けています。
自宅に置き換えるなら、まず普段の洗濯物を二つに分けてみましょう。乾燥機から取り出す物と、物干しから外す物では、片付けの出発点が異なります。「乾燥機を導入するから物干しは考えなくてよい」とせず、どちらからも戻し先までの経路をたどることが出発点です。
キッチンと脱衣室の近さを、収納まで生かす
動画では、乾燥機から取り出した物も、干して乾いた物も、最後には収納へ運ぶ必要があると説明しています。この家のウォークインクローゼットは洗面の奥にあり、玄関側へ回り込んで向かうだけでは、キッチンと脱衣室が近いという利点が薄れてしまう、という話につながります。
そこで設けているのが、脱衣室の奥にあるもう一つの扉です。開けると真横のウォークインクローゼットへつながり、乾いた衣類を直接持っていけます。収納を近くに置くだけでなく、脱衣室から入れるようにしたことが、この配置の具体策です。
ここから読み取れるのは、部屋同士の近さと、実際に歩く道の短さを分けて見る必要があることです。図面上でランドリーと収納が隣り合っていても、入口が反対側なら回り込みます。収納の位置を確認するときは、壁の近さではなく、衣類を持って通る扉まで見てください。
家族の衣類を戻す場所を、脱衣室の隣にまとめる
ウォークインクローゼットにはハンガーを掛けられ、家族分の衣類収納がここで完結する計画だと説明されています。乾いたらすぐ隣へ戻せることが、紹介の中心です。ただし、この場面では、タオルや下着をそれぞれどの棚や引き出しへしまうかまでは説明されていません。
打ち合わせでは、クローゼットの入口を決めるところから、もう一段具体化したいところです。乾燥機から出したタオルはどこへ、室内に干した服はどこへ戻すのか。衣類の種類ごとに戻し先を書けば、「収納へ運べる」という計画と、「所定の場所へしまえる」という計画を分けて確認できます。
洗濯後の片付けと、帰宅後の着替えをつなげる
この収納は、洗濯後だけに使う場所ではありません。帰宅後はシューズクロークから上がり、手を洗い、部屋着に着替え、脱いだ服を脱衣室の洗濯かごへ入れる流れも紹介されています。その後はキッチンへ進むことも、風呂へ向かうこともできると説明しています。
収納を乾かす場所へ寄せたいときも、そこから服を取り出す場面を忘れないようにしましょう。洗濯をする人が戻す道と、家族が着替えに行く道を、図面に別々に描いてみてください。この家を参考にしたいのは、収納を洗濯の終点にすると同時に、着替えの途中にも置いている点です。
まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】の解説|外干しを続けるなら、干す場所までの道も確認する
平屋でも、どこから外へ出るかを決める
まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】は、平屋の外干し計画について、どこに干すのか、そこまでの動線は最短になっているのかを確認点に挙げています。室内干しで完結させたい人とは別に、外干しを希望する人の計画として取り上げている話です。
外干しを日常的に行うなら、洗濯機から屋外へ向かう線を図面に引いてみましょう。その後、取り込む入口から収納へ向かう線も加えます。外へ出る道だけを見るのではなく、乾いた衣類を家の中へ戻すところまで追うと、検討すべき収納の入口も具体的になります。
干すスペースと目隠しを、経路と一緒に見る
同じ解説では、洗濯物を干すスペースが確保されているか、目隠しが設置されているかも挙げています。外干し場までの距離だけでなく、その場所をどう用意するかも確認する、という内容です。
図面の「物干し」という表記だけで判断せず、実際に外へ出す物を伝えて確認しましょう。普段の洗濯物を掛ける場所と、家族が出入りする位置はどうなっているか。どの方向からの視線を遮りたいか。外干し場を決める打ち合わせでは、収納の希望とともに、こうした使い方も共有しておきたいところです。
収納を屋外側へ寄せるべきかは、別に検討する
この動画が示しているのは、外干し場の位置、動線、スペース、目隠しという確認項目です。外干し中心なら収納を外への出入口付近に置くべきだ、という具体的な配置までは示していません。
したがって、外干しをするという理由だけで、主な衣類収納を屋外側へ動かす必要はありません。候補となる収納位置ごとに、取り込んで戻す道と、着替えに行く道を比べてみてください。取り込み口との関係を確認しつつ、誰がどこで服を使うかも残して考えることが大切です。
家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】の解説|部屋干しを基本に、外干しもできるようにする選択肢
外干しのためにバルコニーを設けるかを問い直す
家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】は、紹介する間取りについて、バルコニーを設けず、部屋干しを中心にする案を述べています。これは動画内で示された提案であり、全ての家庭にバルコニーが不要だと断定する根拠ではありません。
自宅の収納位置を考える際も、まず新居で基本にしたい乾かし方を決めてみましょう。室内で乾かすつもりなら、室内の物干しから戻す道を確認する。外干しを続けたいなら、屋外から取り込む道も確認する。設備や部屋の名前を先に決めず、普段使う経路から位置を検討する進め方です。
外干しを希望する場合は、LDKの外側も候補にする
一方で、この解説は外干しそのものを否定していません。外干しを希望する場合には、LDKの外側に物干しを設ける案を示しています。部屋干しを基本にしながら、バルコニー以外の場所で外干しに対応する提案です。
この案を検討するなら、LDKの外側に干した衣類を、室内のどこへ戻すかまでたどってみてください。物干しを設ける場所と収納を一緒に確認することはできますが、この解説だけから「収納もLDKの近くがよい」とは決められません。室内干しの場所や着替える場所との関係も合わせて見る必要があります。
外干しの有無だけでなく、何を外へ出すかを伝える
この場面では、部屋干しを中心にしつつ外干しにも対応する案が示されていますが、外に干す衣類の種類、量、頻度は説明されていません。外干しが少量で済むという条件まで、動画から確定することはできません。
そこで打ち合わせには、「外干しもしたい」という希望だけでなく、外に出したい物の一覧を持っていくとよいでしょう。毎日の衣類なのか、特定の物だけなのかで、自分たちが確認したい経路を絞れます。室内と屋外の両方を使う場合は、それぞれから同じ収納へ戻すのか、品目で戻し先を分けるのかも相談できます。
収納の位置は、乾く場所と服を使う場所の両方から考える
エスコネ(S.Connect)の実例で優先していたのは、乾燥機と室内干しの後に、収納へ回り込まず移動できることでした。手段は、脱衣室の奥にも扉を設け、隣のウォークインクローゼットへ直接つなぐことです。さらに、その収納を帰宅後の着替えにも使う流れが紹介されています。
二つの解説は、収納の配置ではなく、乾かす場所を決める際の判断材料です。まかろにおは外干し場までの動線とスペース、目隠しを挙げています。せやま大学は部屋干しを基本に、外干しを希望する場合はLDKの外側を利用する案を示しています。
乾かし方に合わせて変えて考えたいのは、まず収納へ向かう経路の出発点です。 乾燥機なら取り出す場所、室内干しなら物干し、外干しなら屋外の物干しと取り込み口から、同じ戻し先までの道を比べてみましょう。乾かし方が違うからといって、収納位置が必ず変わるわけではありません。
そのうえで、収納から服を取り出す動きも確認します。洗濯物を戻す道だけを短くしたいのか、帰宅後の着替えも同じ場所で済ませたいのか。実例の扉の位置をそのまままねるのではなく、自分たちがつなげたい動作を決めると、収納をどこへ寄せるかを相談しやすくなります。
打ち合わせで確認したいこと
- 乾燥機にかける物と室内に干す物は何ですか。それぞれの乾く場所を図面に示せますか。
- 外干ししたい物は何ですか。普段の洗濯物を外へ出すのか、特定の物だけなのかを共有できていますか。
- 外干し場へはどの出入口から向かいますか。洗濯機からそこまでの経路を確認しましたか。
- 外から取り込んだ衣類は、どの入口を通って、どの収納へ戻しますか。
- 脱衣室と収納が隣り合う場合、入口の位置によって回り込みが残っていませんか。
- タオルや室内に干した服について、収納の入口だけでなく、実際にしまう棚やハンガーの場所まで決めていますか。
- 帰宅後はどこで着替えますか。その場所から脱いだ衣類を洗濯かごへ持っていく道はどうなっていますか。
- 外干し場には、予定する洗濯物を干すスペースと、希望する方向の目隠しを用意できますか。
- 部屋干しを基本に外干しも行う場合、両方から同じ収納へ戻しますか。それとも品目ごとに戻し先を分けますか。
収納の位置を決めるときは、乾かす場所から戻し先までと、服を取り出して着替える場所までを続けて確認しましょう。関連する実例を見る際も、ランドリーと収納の距離だけでなく、出入口と衣類の行き先に注目すると、自宅の図面で相談したい点が見つかります。
実例を詳しく見る
あわせて読みたい記事
玄関框はどう決める?斜め・薄さ・高さで比べる3実例
玄関框は、見た目の好みだけで決める部位ではありません。通路を通しやすくするために斜めにした家、来客側をすっきり見せるために薄く納めた家、上がりやすさを意識して高さを語っていた家。3つの実例を比べると、形や厚み、高さの違いは「玄関でどんな動きを優先したか」の違いから生まれていました。
記事を読む →洗面と脱衣は分けるべき?3実例に見る、一体化と分離の考え方
朝の身支度を優先するのか、洗濯や入浴まわりを一室でまとめたいのか。洗面と脱衣を一緒にするか分けるかは、見た目よりも『どの重なりを減らしたいか』で変わります。3実例を比べ、そう配置した理由を整理します。
記事を読む →家族の衣類収納はまとめる?分ける? 3実例で見える配置理由と考え方
ファミリークローゼットにまとめるか、寝室や子ども部屋ごとに分けるか。3つの実例を比べると、分かれ目になっていたのは収納の流行ではなく、どこで着替えるか、洗濯後にどこまで運ぶか、来客中にどの道を使いたいかでした。
記事を読む →