玄関框はどう決める?斜め・薄さ・高さで比べる3実例
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玄関框は、木か鉄か、薄いか厚いか、といった見た目だけでは決めにくい場所です。靴を脱ぐ人が重なる玄関なのか、来客を迎える見え方を整えたい玄関なのか、段差の上がりやすさを気にしたい玄関なのかで、合う納め方は変わります。
今回の3実例でも、優先していたことは同じではありません。ホームランディックの家は通路を確保するために框を斜めにし、ウィンウィンホームの家は間接照明と来客空間の見え方に合わせて薄く納め、デザイエの家は黒いスチール框と約14cmの高さを組み合わせていました。
寸法や形は、その家の条件に合わせた答えです。ここでは数値をそのまま推奨値として見るのではなく、どんな動きや見え方のためにそうしていたのかを比べます。
ホームランディック|通路の通りやすさと、靴を脱ぐ余白を優先した斜め框
階段下から土間収納がある玄関で、框を斜めの一直線にしていた
この家では、「階段の下から土間収納がある」と説明したあとに、「こちらまで 斜めの一直線で玄関框を仕上げてあります」と語られています。少なくともこの場面では、階段下から土間収納がある側まで、玄関框を斜めに通していることが確認できます。
玄関框は上がり口だけの話に見えますが、実際には隣の階段や収納入口との関係で使いやすさが変わります。框の形を考えるときは、玄関の一辺だけでなく、その先に続く通路まで一緒に見たいところです。
理由は、まっすぐだと通りづらくなるから
斜めにした理由について、動画では「何でカマチ斜めにしてるかっていうと」「ここがまっすぐだと通りづらくなっちゃうんですね」と説明されています。続けて「こっちだと階段が溢れちゃう」とも語られており、この家では階段まわりとの取り合いを踏まえて、通りやすさを優先していたことが分かります。
四角くまっすぐ納めたほうが整って見えることはありますが、玄関脇に階段や収納が寄る間取りでは、見た目の整い方と歩きやすさが一致しないこともあります。図面を見るときは、靴を履いたまま向きを変える動きまで想像すると判断しやすくなります。
通路だけでなく、複数人が靴を脱ぎやすいことも良さとして語られていた
この説明では、斜めにすることで「ちょうど綺麗に通る」ことに加え、「たくさんの人がこういう風に靴を脱げるって言うところが良くて」とも述べられています。つまりこの框は、通り道を通しやすくするだけでなく、靴を脱ぐ位置の取りやすさも含めて考えられていました。
ここから読み取れるのは、框が段差の境目であると同時に、靴を脱ぐ立ち位置を決める線でもあるということです。家族が並んで帰宅するか、来客が重なることがあるかで、必要な形は変わります。収納量とは別に、玄関を同時に何人で使うかも確かめたい実例です。
ウィンウィンホーム|間接照明と来客側の見え方に合わせた薄い框
床下の間接照明を見せる玄関で、框の薄さにこだわっていた
この家では、「お客さんを出迎えるこの床下の間接照明もつけてるんですけど」と説明したうえで、「その間接照明をつけるこの玄関の框が4CM5ミリ あえて薄くしてる」と続いています。この場面で確認できるのは、玄関框の薄さが、床下の間接照明を含む玄関の演出と一緒に語られていることです。
この数値をそのまま別の家の基準にすることはできませんが、大事なのは薄さが単独の好みではなく、玄関の見せ方の計画に入っていることです。框だけを部材として選ぶより、照明や床際の見え方とまとめて考えたほうが印象は揃いやすくなります。
来客空間だから、右側をすっきり見せる納まりを選んでいた
動画では、細めの玄関框について触れたあとに、「ここはお客さんが空間っていうことなんで すっきり見えるようにあえてね右の幅器を回さずアングルで仕上げました」と説明しています。字幕から確認できるのは、この家が来客を意識した玄関で、右側をすっきり見せるために幅木を回さない納まりを選んでいたことです。
玄関框を考えるとき、厚みや素材だけに目が向きがちですが、周囲の見切りでも印象はかなり変わります。来客から見える側を整えたいなら、框の断面だけでなく、壁際がどう終わるかまで確認したいところです。
薄い框は、玄関の主張を抑える手段にもなっていた
この場面では、「4CM5ミリ あえて薄くしてる」「今回めっちゃこだわりました」と、薄さ自体を意図して選んでいることがはっきり述べられています。さらに、その直後に来客空間としてのすっきりした納まりが説明されており、少なくともこの実例では、框の薄さと見え方の整理が近い文脈で扱われていました。
ここから読み取れるのは、框をアクセントとして見せたい玄関もあれば、逆に線を細くして空間全体を軽く見せたい玄関もあるということです。玄関ホールをどう見せたいかを先に決めると、框の厚みや周辺の納まりも考えやすくなります。
デザイエ|黒いスチール框と約14cmの高さで、上がりやすさを語った玄関
木ではなく、黒いスチール框を使っていた
この家では、「鉄製のものを使ってます」「スチール框の黒色のものを使用しています」と説明されています。少なくともこの引用で確認できるのは、木製ではなく黒色のスチール框を使っていることです。
素材を変えると玄関の印象は大きく変わります。ただ、この場面だけでは、なぜ木ではなくスチールを選んだのかまでは分かりません。素材選びを参考にするときは、周囲の床やドア、手すりとの合わせ方も別途見たいところです。
高さは約14cmで、『上がりやすい』と説明していた
続けて「これが約14cmぐらいの高さになってますね 上がりやすいですね」と語られています。この家では、玄関框の高さを具体的に示しながら、上がる動作のしやすさにも触れていました。
ただし、この場面だけでは、ほかの高さと比べた結果なのか、家全体の床レベル計画とどう整合しているのかまでは分かりません。約14cmという数字を一般化するより、この家が段差の上がりやすさを説明するほど意識していた、と受け取るのが自然です。
素材の話と、上がりやすさの話が続けて出てきた
この実例では、黒いスチール框を使っている説明の直後に、高さと「上がりやすいですね」という説明が続いています。ここで確認できるのは、玄関框を見た目の素材としてだけでなく、実際に上がる場所として紹介していたことです。
玄関框を選ぶとき、素材だけに目が行くと毎日の段差が後回しになりがちです。反対に、高さだけを見て決めると玄関全体の印象とずれることもあります。素材と高さを切り分けず、同じ場所の判断として一緒に確かめたい実例です。
3つの玄関框を比べると、先に決まっていたのは『何を楽にしたいか』だった
ホームランディックの家は、階段下から土間収納がある玄関で、まっすぐだと通りづらくなることが出発点でした。そこで框を斜めにし、通りやすさと、複数人が靴を脱ぎやすいことの両方を良さとして語っていました。
ウィンウィンホームの家は、来客を迎える玄関の見え方が軸でした。床下の間接照明に触れながら框を4cm5mmと薄くし、右側は幅木を回さずアングルで納めて、すっきり見せていました。
デザイエの家は、黒いスチール框を使い、高さを約14cmとして『上がりやすい』と説明していました。詳しい採用背景まではこの引用だけでは分かりませんが、素材感と段差の使いやすさを同じ場面で扱っていた点が特徴です。
比べると、框は玄関の端の部材ではなく、人がどこを通るか、どう迎えたいか、どう上がるかを受け持つ境目です。自宅で考えるなら、形・薄さ・高さを別々に選ぶより、玄関で一番減らしたい不便を先に決めるほうが整理しやすくなります。
住宅系YouTuberはこう解説している
ルームツアーとは別に、住宅系YouTubeでは次のような解説があります。
まかろにお【工務店&ハウスメーカー攻略法】|玄関框の高さと靴の脱ぎ履きについての説明
この動画では、玄関框には靴の脱ぎ履きで座る場所としての役割があり、高さを調整することで玄関の雰囲気が大きく変わると述べています。あわせて、通常の玄関框は15cmから18cm程度が多く、腰をかけながら靴を履ける一方で、外と内の空間が明確に分かれ、場合によっては圧迫感や玄関の狭さにつながることがあると説明しています。
打ち合わせで確認したいこと
- 階段、土間収納、玄関ドアの開き方まで含めると、框をまっすぐにしたとき通りづらくならないか。
- 家族が並んで靴を脱ぐ場面や、来客が重なる場面を考えると、斜めの框にしたほうが使いやすい玄関ではないか。
- 玄関框の形は、平面図の見た目だけでなく、靴を履いたまま向きを変える動きまで確認できているか。
- 玄関を来客に見せる場所として考えるなら、框の厚みだけでなく、照明や壁際の見切りまで一緒に検討しているか。
- 框を薄く見せたい場合、その納まりは周囲の幅木や壁の仕上げと矛盾しないか。
- 素材を木以外にするなら、玄関ドア、床、手すりなど周辺の色や質感とどう合わせるか。
- 框の高さは、見た目の段差感だけでなく、家族が毎日上がり下りしやすいかで確かめたか。
- 提示された寸法は、自宅の床レベルや土間の計画の中でも同じ意味を持つのか、それとも別の高さが合うのか。
- 玄関框で一番優先したいのは、通りやすさ、来客時の見え方、上がりやすさのどれか。優先順位は家族でそろっているか。
玄関框は、最後に形を選ぶ飾りではなく、玄関で起きる動きを受け止める境目です。斜めにして通路を通した家、薄くして来客側を整えた家、高さを語って上がりやすさを意識した家。それぞれの違いは、どんな不便を減らしたかったかの違いでした。図面を見るときは、框そのものの好みだけでなく、玄関での通り方、見え方、段差の使いやすさまで一緒に確認してみてください。
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