HOUSE TAG JOURNAL

来客が泊まる部屋はどう考える? 実例で見る、用途・場所・備えの決め方

HOUSE TAG編集部 · 公開
この記事の内容
  1. ホームランディックの23坪の平屋|ふだんは一体で暮らし、たまの宿泊を受け止める
  2. LibWorkの70.7坪の平屋|和室とシャワールームを客間まわりにまとめる
  3. アイ工務店の1.5階の平屋|屋根裏を宿泊と普段使いの両方に回す
  4. 3実例を比べると、来客室で減らしたい不便が違う
  5. 打ち合わせで確認したいこと

親や友人が泊まる日を想像すると、必要なのは『寝る部屋が一つあること』だけではありません。夜にトイレへ行く時はどこを通るのか。朝の洗面や入浴は家族と重ならないか。スーツケースはどこへ置くのか。来客室は、部屋数の話だけで決めると使い方がぼやけやすい場所です。

今回の実例では、23坪の平屋に8畳のゲストルームと物置きスペースを設けた家、11帖の和室を来客が泊まれる場所として使い隣にシャワールームを置いた家、屋根裏空間をゲストルームにしつつ収納や仕事にも回せると案内された家がありました。

同じ『来客が泊まれる部屋』でも、普段の暮らしを優先したいのか、客間の近くで身支度まで済ませやすくしたいのか、使わない日を無駄にしたくないのかで、答えは変わります。ここでは3実例を、用途・場所・備えの違いから見ていきます。

ホームランディックの23坪の平屋|ふだんは一体で暮らし、たまの宿泊を受け止める

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ふだんは一つの空間で暮らしたい希望と、たまの宿泊への備え

この平屋では、基本的には一つの空間で物事を済ませたいという思いが語られており、あわせて、親や友人が来た時に使う8畳のゲストルームも紹介されています。

来客室を考える時に参考になるのは、この順番です。先に『客間が欲しいか』を決めるのではなく、『普段は開いた暮らしをしたいのか』『閉じた個室を常に持ちたいのか』を整理する。宿泊頻度が高くない家では、この前提が決まると、専用室にするか兼用にするかも考えやすくなります。

寝る場所の横に、荷物の置き場も用意している

この家では、ゲストルームのすぐそばに物置きスペースがあり、泊まる人の荷物置き場として案内されています。

客間を検討する時、広さだけで判断すると使い勝手を見落としやすくなります。スーツケースや着替え、手土産などをどこへ置くかが決まっていないと、床や通路が荷物置き場になりがちです。ここから読み取れるのは、来客室は『寝具が入るか』だけでなく、『滞在中の物をどこへ寄せるか』まで考えると形にしやすいということです。

来客がいる日に重なりやすい水まわりにも手当てがある

同じ動画では、家族が来た時に洗面台とお風呂の使用が重ならないように、脱衣所へ鏡を付けたことが説明されています。

ここから読み取れるのは、来客室そのものだけでなく、泊まる人が増えた日に水まわりの使い方がどう重なるかまで意識しているということです。客間を一室つくっても、洗面や着替えの場所が家族とぶつかりやすければ、泊まりやすさは上がりません。図面を見る時は、部屋の位置だけでなく、身支度の場所まで一続きで確かめたいところです。

LibWorkの70.7坪の平屋|和室とシャワールームを客間まわりにまとめる

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11帖の和室を、泊まりにも遊びにも使う場所にしている

この平屋では、11帖の和室が、来客が泊まりに来た時や遊びに来た時に使うゲストルームとして紹介されています。

来客室を専用にするか迷う時、この実例は兼用の考え方を見せてくれます。宿泊の時だけ閉じる部屋ではなく、来た人が過ごす場所としても使うなら、和室や多目的室を客間に重ねる発想が取りやすくなります。ここで大事なのは部屋の名前より、『泊まる前から滞在中までどう過ごすか』です。

客間の隣にシャワールームがあり、お風呂は別にある

和室の案内の続きでは、隣に来客が泊まる時に使うシャワールームがあり、浴室は別にあると案内されています。

客間を考える時、寝る場所だけを独立させても、入浴や身支度が遠いと滞在の流れは途切れます。この家から参考にできるのは、宿泊者が使う水まわりを近くに寄せる考え方です。家族の浴室とは別にしている点も、使う時間が重なる時の考え方として見ておきたいところです。

リビングに入らず水まわりへ行ける動線がある

さらに動画では、ゲストルームの近くから玄関側の動線を通り、リビングに入らず水まわりへ向かえる構成も紹介されています。

ここから読み取れるのは、来客室の使いやすさは静かな位置かどうかだけでなく、『どこを通るか』でも変わるということです。夜にトイレへ行く時、朝に顔を洗う時、毎回リビングを横切るのか、それとも玄関側の動線で済むのか。間取りを見る時は、この通り道を実際に指でなぞってみると、独立させたい範囲が見えてきます。

アイ工務店の1.5階の平屋|屋根裏を宿泊と普段使いの両方に回す

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屋根裏を客間として案内。寝る場所に必要な高さの考え方も紹介

この平屋では、ハーフ収納の上にある屋根裏空間がゲストルームとして紹介され、寝る時は大きな高さが必要ないのでこれくらいでも十分かもしれない、という説明も添えられています。

来客のために一階の一室を取りにくい家では、この見方が参考になります。客間に必要な条件を分けて考えると、日中の個室と同じ天井高や広がりを必須にしない選択肢も出てきます。『泊まれる部屋』に何を求めるのかを整理すると、候補にできる場所は増えます。

使わない日は、収納や仕事にも回せると説明されている

同じ場面では、この場所はゲストルームに加えて、屋根裏の収納スペースや仕事の場としても使えると案内されています。

来客室で迷う時に現実的なのは、こちらの考え方かもしれません。泊まる日より使わない日のほうが長いなら、ふだん何に使うかを先に決めておく。収納不足を補いたいのか、在宅ワークの場所が欲しいのかで、必要な広さや設備は変わります。

屋根に近い場所なので、暑さへの説明も添えられている

屋根に近い場所を寝る部屋として検討するなら、夏の暑さや冷暖房の届き方も現地で確認したいところです。宿泊する季節や時間帯を伝え、客間として無理なく使えるかを設計者と確かめてください。

ここで見ておきたいのは、屋根裏を客間にするなら、形だけでなく環境面の確認も必要だということです。天井高さだけでなく、温熱環境や上り下りのしやすさまで含めて考えたいところです。なお、この実例の説明をそのまま他の屋根裏全般に広げることはできないので、採用時は個別に条件を確かめる前提になります。

3実例を比べると、来客室で減らしたい不便が違う

ホームランディックの23坪の平屋では、一つの空間で物事を済ませたいという希望が語られ、親や友人が来た時のための8畳のゲストルームと物置きスペースも設けられています。

LibWorkの70.7坪の平屋は、11帖の和室を来客が泊まったり遊びに来たりした時に使うゲストルームとし、隣にシャワールームを置き、さらにリビングに入らず水まわりへ行ける動線まで紹介されています。

アイ工務店の1.5階の平屋は、寝る時は大きな高さがいらないという考え方とともに屋根裏空間をゲストルームとして紹介し、収納や仕事にも使えるとしています。

並べてみると、同じ来客室でも出発点が違います。ふだんの開いた暮らしを崩したくないのか、泊まる人が客間の近くで身支度しやすいことを優先するのか、使わない日も別用途で回したいのか。先にこの違いを言葉にしておくと、専用室にするか兼用にするかが決めやすくなります。

比較する時は、『何畳か』だけでなく宿泊の流れを追うのがおすすめです。玄関から入り、荷物を置き、着替えや入浴をして、夜にトイレへ行き、朝に身支度する。そのどこで家族の動きと重なるかを見ると、必要な場所や備えが整理しやすくなります。

打ち合わせで確認したいこと

  • 来客が泊まるのは年に何回くらいで、親・友人・子世帯のどれが多いですか。
  • 来客室は、夜に寝るだけの場所ですか。それとも昼間にくつろいだり話したりする場所にもしたいですか。
  • 宿泊する人は、夜にトイレや洗面へ行く時にどこを通りますか。リビングを横切る必要はありますか。
  • スーツケース、着替え、布団はどこへ置きますか。寝る場所と分けたほうがよさそうですか。
  • 来客がいない日は、その部屋を和室、収納、仕事部屋、将来の寝室候補のどれとして使いますか。
  • 泊まる人が増えた日に、洗面や入浴の順番待ちが起きそうなら、どこで受け止めますか。

来客が泊まる部屋は、『一室あると安心』だけで決めるより、『どんな滞在を受け止めたいか』から考えるほうが形を選びやすくなります。普段は一体で暮らしたい家、客間の近くに水まわりを寄せたい家、使わない日も兼用したい家では、向く答えが違います。間取りの名前より、泊まる日の動きと、泊まらない日の使い道を打ち合わせで具体的に伝えてみてください。

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