平屋のトイレは家の中央でもいい?「居室と隣り合わない」を優先した実例
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平屋のトイレをどこに置くか。玄関から近い場所、寝室から行きやすい場所、リビングから離れた場所。間取りを見ながら考えていると、どこかを便利にする代わりに、別の部屋との距離が気になることがあります。
アーチの平屋で優先されたのは、「家の端にトイレを置くこと」ではありませんでした。動画で説明されている施主の希望は、トイレと居室が、壁一枚を隔てて隣り合わないことです。その希望に応えた配置が、家の中央にあるトイレでした。
中央という位置だけを見ると意外ですが、周囲に何を置いたかまで見ると、その理由が分かります。
出発点は「どこに置くか」より「何が気になるか」
動画では、施主がさまざまな建売住宅を見ていく中で、最後まで納得できなかったのがトイレの位置だったと紹介されています。続いて説明されるのが、使用中の音やにおいについて、周囲に気を使う場面です。
そこで間取りへの要望になったのが、トイレをほかの居室と直接隣接させないこと。単に「リビングから遠くしてください」ではなく、壁の向こうが誰かの居場所にならないようにしたいという、部屋同士の関係への希望でした。
この違いは、打ち合わせでも参考になります。「玄関側がいい」「寝室側は避けたい」という位置の指定だけでなく、何を気にせず使いたいのかを伝える。そうすると、希望していた位置とは別の場所にも、要望に合う配置を検討する余地が生まれます。
家の中央でも、周囲を居室で囲まなかった
この実例では、トイレが平屋の中央にあることに続き、どの居室にも接していないことが説明されています。周囲にあるのは、クローゼット、洗面につながる水回りの動線、各部屋へ向かう廊下です。
つまり、トイレを端へ追いやって距離を取るのではなく、中央に置きながら、その周りに収納や通路を配置することで、居室との直接の隣接を避けています。
ここで参考になるのは、「中央のトイレ」という形そのものより、部屋の周囲を見る方法です。間取り図でトイレの位置に印を付けるだけでなく、それぞれの壁の向こうに何があるかをたどる。リビングからの距離だけでは分からない、居室との関係を確認できます。
なお、動画で確認できるのは配置と設計上の狙いです。この配置なら音が聞こえない、においが伝わらないという性能が実測で示されているわけではありません。「居室と接しないこと」と「音やにおいの問題が解消されること」は、同じ意味ではありません。
家族だけでなく、来客が使う経路も確認する
トイレを出た先には洗面があり、このあたりまでは来客も入る場所だと説明されています。今回のトイレは、居室との関係だけでなく、来客が使う洗面とのつながりも含めて見ることができます。
自分たちの間取りを検討するときも、家族が寝室から向かう経路と、来客がリビングから向かう経路を、別々になぞってみてください。どちらの経路で何が見えるか、着替えや家事の場所を通る必要があるか。トイレ単体ではなく、そこへ行く途中まで含めて希望を整理するための確認です。
これは、この実例ならすべての家庭の動線が解決するという意味ではありません。誰が、どこから使うかが違えば、優先する配置も変わります。
同じ配置を採用する前に、設計者と確認したいこと
この家の考え方を参考にするなら、トイレを中央に置くと決める前に、次のことを整理しておくと打ち合わせの材料になります。
- 避けたい隣接先はどこか。 リビング、主寝室、子ども部屋など、特に気になる居場所を具体的にする。
- 間に置く収納や通路に、別の役割もあるか。 トイレを囲むためだけでなく、衣類をしまう、各部屋へ行くといった暮らしの動きと一緒に考える。
- 誰の経路を優先したいか。 夜間に寝室から使う家族と、リビングから使う来客では、確認したいことが同じとは限らない。
- 配置以外に何を確認するか。 音、におい、換気、掃除や設備の点検について、採用する仕様とあわせて設計者へ質問する。
これらは実例で効果が検証された項目の一覧ではなく、自分の家に取り入れる前の確認事項です。動画からは、具体的な遮音仕様、換気の計画、追加費用までは判断できません。
「中央か端か」の前に、守りたい居場所を決める
この実例の出発点は、珍しい位置にトイレをつくることではなく、施主が気になっていた居室との隣接を避けることでした。そのために、収納や廊下との関係を組み立てた結果、中央という配置が選ばれています。
トイレの位置に迷ったら、まず「この部屋の隣には置きたくない」「使っているときにここへ気を使いたくない」と、守りたい居場所や場面を言葉にしてみてください。中央か端かという二択にする前に、自分たちが納得できる配置の条件を整理できます。
収納をどこに置くかもあわせて考えたい方は、ランドリーとファミクロの配置を採用理由から比べた記事も参考にしてください。
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