玄関からファミクロへ通り抜ける?2実例で比べる、出入口と収納量の選び方
この記事の内容
帰宅したら上着をしまい、手を洗ってリビングへ。玄関からファミリークローゼットへ通り抜けられれば、その流れをつくれそうです。ただ、出口にしたい場所が、服を掛けたい場所と重なっていたらどうでしょう。道をつなぐことだけを先に決めると、今度は衣類の置き場所を考え直す必要があるかもしれません。
アーチ(ARRCH)の平屋は、シューズクローゼットからファミクロへ進み、その先の洗面・トイレ付近へ抜けられる配置です。周囲の間取りには、トイレを居室と直接隣り合わせにしたくないという希望も反映されています。一方、リブワークの住まいは、玄関側へ扉を設ける案を採らず、収納量を残しました。
通り抜けられる家と、あえて通り抜けにしなかった家。比較したいのは出口の数ではなく、服をしまった後に進みたい場所と、出入口に使う面へ収めたい物です。それぞれの配置と、動画で語られた理由を見ていきます。
アーチ(ARRCH)・共働き夫婦の平屋|帰宅動線をつなぎ、居室との位置関係にも配慮
シューズクローゼットから、服をしまう場所へ進む
玄関には、家族用の経路として紹介されるシューズクローゼットがあります。その両側に収納があり、帰宅時の上着を掛ける使い方も挙げられています。そこを通って左へ進むとファミクロへ。動画では、シューズクローゼットからほぼ一直線につながる帰宅動線として説明されています。
ファミクロ内には両側に衣類を掛けるパイプがあり、奥には姿見があります。さらにファミクロを出ると、洗面・トイレのある場所につながります。収納に入って同じ入口へ戻るだけでなく、服をしまう場所を通って水回り側へ進める構成です。そこから玄関のシューズクローゼット側へ回れることも紹介されています。
自宅に取り入れるなら、まず上着をどこで脱ぐかを決めたいところです。玄関近くで掛けるのか、ほかの服と一緒にファミクロへしまうのか。上着の置き場を決めたうえで、手洗いと着替えの順番を図面に重ねてみてください。同じ通り抜けの間取りでも、使いたい順番でたどれるかが検討のポイントになります。
周囲の配置には、トイレを居室に接しない場所へ置く理由がある
この家では、トイレの位置への強い希望が語られています。建売住宅を見ていく中で最後まで納得できなかった点が、トイレの配置だったとのこと。音やにおいを気にする背景から、壁を隔ててすぐ居室になるような間取りにはしないでほしい、という要望があったと説明されています。
そこでトイレは平屋の中央にありながら、周囲をクローゼット、洗面への動線、各居室へ入る廊下などに接する配置になっています。ファミクロを出た先も、この洗面・トイレ付近です。ただし、この希望が通り抜け型ファミクロを採用した直接の理由だとは語られていません。確認できるのは、帰宅時の経路と、居室に接しないトイレの配置が同じ間取りに組み込まれていることです。
ここから読み取れるのは、ファミクロの入口と出口だけを切り取らず、隣り合う部屋まで見る必要があることです。玄関と収納を近づけたい希望に加え、トイレと居室の関係など、ほかに守りたい条件があれば一緒に伝えましょう。なお、この配置の説明は、音やにおいが実際にどの程度伝わるかを示すものではありません。
通れる道と、両側に掛ける収納を重ねて見る
このファミクロは、通り抜ける経路を持ちながら、両側を衣類収納に使っています。また、家族用のシューズクローゼット側からLDKへ、水回り側からキッチンやLDKへ進めることも説明されています。ファミクロの周囲には、衣類をしまう以外の行き先へ向かう経路もあります。
図面では、通路の線だけでなく、服を選ぶために立つ位置も書き込んでみてください。家族が通るときに誰かが着替えているなら、どこですれ違うのか。反対に、収納を使わずLDKへ向かう日はどの道を通るのか。通り抜け型だから収納が足りないと決めつけず、残る収納に自分たちの衣類を割り振ってから判断したいところです。
リブワーク・スタッフが建てた住まい|玄関側への扉より収納量を優先
帰宅して服を掛け、手洗いへ進む案は採らなかった
リブワークの住まいでは、家族の洋服を収納できるようにしたファミクロが紹介されています。ここには玄関につながる扉を設けることもできた、と動画で説明されています。その場合は、帰宅して衣類を掛け、手洗いへ進む経路をつくれたそうです。
ただし、完成した間取りでは、その扉を設けていません。動画では、回遊動線を増やしすぎない意向があると説明したうえで、行き止まりにすることで収納量を確保したと紹介しています。通り道にすれば収納に使える部分が減るため、収納量を重視して仕切ったという理由です。帰宅後に服を掛けて手洗いへ抜ける流れは、採用しなかった案として区別する必要があります。
この実例を参考にするなら、扉の有無を、そこで収納できるはずだった衣類と一緒に比べることが大切です。扉を描いた案では、なくなる収納に何をしまう予定だったか。その服を別の面へ移せるのか、別室に分けるのか。つながる道の便利さだけでなく、衣類の行き先まで決めて両案を並べたいところです。
行き止まりでも、時計を外して置く場所を用意する
ファミクロ内には、帰宅して時計などを置ける場所も設けられています。動画ではアクセサリー用のスペースとして紹介されています。誰が使うかについては出演者の推測が含まれますが、身に着けていた小物を外して置く用途は説明されています。
ここから読み取れるのは、玄関と直結させないことと、帰宅後の片づけを考えないことは別だという点です。自宅のファミクロで上着を掛け、時計を外し、着替えるなら、衣類の収納だけでなく小物を置く位置も検討できます。通り抜けられるかどうかの前に、その部屋で済ませたい動作を書き出してみましょう。
行き止まりの案では、用事を済ませた後に入口へ戻る動きも含めて確認したいところです。玄関からどの経路で入り、服や小物を置いた後は洗面とLDKのどちらへ向かうのか。この動画の説明だけでは玄関からの経路全体を確定できないため、実例と同じ動きだと考えず、自宅の図面で順番にたどってください。
家族の衣類と、季節外の衣類の置き場所を分けて考える
この住まいには、玄関側への扉を設けなかったファミクロとは別に、上の階にもファミクロがあります。そちらは季節外の洋服などを収納する場所として紹介されています。家族の洋服をしまう場所に加え、使っていない季節の衣類を収める場所も用意した構成です。
収納量を比べるときは、まず帰宅時に使うファミクロへ何を集めるかをそろえましょう。今着る服だけか、季節外の服まで含めるのかで、残したい収納は変わります。別の収納を設けるなら、日々着る服はどちらに置くかも決めたいところです。出入口を減らす案でも増やす案でも、同じ衣類のリストを当てはめると、必要な収納を残せているか検討しやすくなります。
比べたいのは、通り抜けた先の用事と、残したい収納
アーチ(ARRCH)の平屋では、シューズクローゼットからファミクロへ進み、洗面・トイレ付近へ抜ける経路と、両側の衣類収納が確認できます。周囲の配置には、トイレを居室と直接隣り合わせにしない希望があります。一方、リブワークの住まいでは、玄関へつなげる選択肢がありながら、その部分を仕切って収納量を確保した理由が明確に語られています。
帰宅後の動きについて、アーチは服をしまう場所から水回り側へ進める構成です。リブワークは、衣類に加えて時計なども置ける場所を設けつつ、玄関への通り抜けは採っていません。ただし、アーチで通り抜け型を選んだ直接の動機は明言されていないため、同じ悩みに対して正反対の結論を出した家、とまではいえません。
自宅で比べるなら、まず「服をしまった後、どこへ進めると助かるか」を書き出しましょう。そのうえで、出口をつくる面に収納するはずだった物を並べます。次の用事へ進む道を残すのか、衣類の置き場所を残すのか。間取りの名称ではなく、具体的な動作と物を比較することが出発点です。
両案には、同じ衣類、小物、帰宅後の順番を当てはめてください。通り抜け案だけ収納する服を少なくしたり、行き止まり案だけ手洗いまでの経路を省いたりすると、比較の条件が変わってしまいます。収納の割り振りと、入ってから出るまでの動きを一枚の図面で確認しましょう。
打ち合わせで確認したいこと
- 帰宅時の上着はシューズクローゼットとファミクロのどちらに掛けたいですか。その置き場所を図面に示せますか。
- 手洗いと着替えはどちらが先ですか。その順番で玄関から線を引くと、ファミクロの入口と出口はどこになりますか。
- 玄関側へ扉を設けた場合、どの収納がなくなりますか。そこにしまう予定の衣類は、どこへ移せますか。
- ファミクロで衣類を選ぶ人や着替える人と、通り抜ける人の位置を図面に描くと、どこですれ違いますか。
- ファミクロを使わず玄関からLDKへ向かうときは、どの経路を通りますか。
- 行き止まりにする案では、服をしまって入口へ戻った後、洗面やLDKまでどう進みますか。
- 時計などをファミクロで外すなら、どこに置きますか。扉を設ける案にも、その置き場を残せますか。
- 帰宅時に使うファミクロには季節外の衣類も集めますか。別にしまうなら、日々着る服との分け方はどうしますか。
- 玄関とファミクロのつなぎ方を変えても、トイレと居室の関係など、ほかに優先したい配置条件を守れますか。
通り抜ける道と、服をしまう場所。どちらを残したいかは、帰宅後の順番と衣類の量を一緒に考えると具体的になります。関連する実例ページでも、収納の見た目だけでなく、入口・出口とその先の行き先を追ってみてください。
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