HOUSE TAG JOURNAL

ランドリールームとファミクロは直結すべき?平屋2実例の「そう配置した理由」

HOUSE TAG編集部 · 公開 · 更新
ランドリールームからファミリークローゼットへ直結する家事動線のイメージ
この記事の内容
  1. アーチの平屋|短くしたいのは、移動だけではなく「家事の切り替え」
  2. デザイエの平屋|人が運ぶ代わりに、収納越しに受け渡す
  3. 2つの家から見えてきた、直結より先に考えたいこと
  4. 打ち合わせでは「隣にしたい」の前に、毎日の動作を伝える

ランドリールームの隣にファミリークローゼットがある。洗って、乾かして、すぐにしまえる。そんな間取りを見ると、自分の家にも取り入れたくなります。

ただ、家事の負担は、部屋と部屋の距離だけで決まるのでしょうか。

料理中に洗濯が終わっても、気づかずに次の作業が遅れる。乾いたタオルを収納したあと、使う場所へ補充し直す。こうした小さな手間は、「ランドリーとファミクロを近づける」だけでは残ることがあります。

今回紹介する2つの平屋には、移動距離を短くするだけではない工夫があります。

一方は、料理と洗濯の様子を同時に把握できること。 もう一方は、洗濯物を受け取り、使う場所へ戻す手間を収納の仕組みで減らすこと。

同じ「ランドリーのある平屋」でも、何を楽にしたいかによって、近づける場所もつなぎ方も変わります。今回はアーチとデザイエの実例を、動画で語られた理由から比較します。

アーチの平屋|短くしたいのは、移動だけではなく「家事の切り替え」

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料理と洗濯を、別々の場所で気にかけなくてよいように

アーチの平屋は、キッチンのすぐ横にランドリーがあり、間に廊下を挟まない配置です。

なぜ、そこまで近づけたのか。動画では、子育てをしながら共働きで、出勤前や帰宅後の限られた時間に家事をする暮らしを背景に説明されています。料理をしながら、洗濯機が動いているか、次の工程へ進めるかを同時に確認できることが、この配置の狙いです。

出演者が挙げるのは、洗濯の作業をしていて料理のタイマーに気づきにくい、洗濯が終わっても気づかずそのままにしてしまう、といった場面。キッチンと洗濯の場所を近づける狙いが、日常の動作から分かります。

ここから読み取れるのは、距離を縮めるだけでなく、家事がどこまで進んだかを確かめる負担を減らすという考え方です。

「洗濯機まで何歩か」と「料理をしながら洗濯の状態が分かるか」は、似ているようで違う問い。近くても壁や扉で様子が分からない配置と、互いの状態を把握しやすい配置では、暮らし方との相性が変わります。

※調理中に火元を離れることを勧めるものではありません。安全な機器の使用を前提とした、家事の位置関係の話です。

外干しが主役だから、キッチンを含む横のつながりをつくる

この家では、外干しがメインで、室内干しはサブだと説明されています。ランドリーで洗濯をし、パントリーのある側を通って、外庭の物干しへ。室内干しと外干しの場所を、キッチンを経由する横方向の動線に置いています。

興味深いのは、話が「近いから便利」で終わらないことです。32:39からの説明では、距離に加えて、左右を見ることで家事の状態を把握できる点が強調されています。

つまり、外の物干しだけを便利な場所に置くのではなく、料理・洗濯・干す作業を、一緒に把握しやすい関係にしている。そのための横並びです。

この配置を参考にするなら、まず「自分たちは外干し中心なのか」を確認したいところです。乾燥機中心の家庭なら、同じ形をそのまま採用するよりも、乾燥後に取り出して収納するまでを優先した方が暮らしに合うかもしれません。

ファミクロには、洗濯以外の役割もある

一方、ファミクロについては、シューズクローゼットからほぼ一直線で入れる、家族の帰宅動線として説明されています。さらに、主寝室と子ども室の間に収納を挟むことで、両室が直接隣り合わないようにし、家族間のプライバシーに配慮したという説明もあります。/

ここが、「ランドリーとファミクロは直結すべき?」という問いへの大切な補足です。

ファミクロは、洗濯物をしまうだけの部屋ではありません。帰宅して着替える場所でもあり、居室同士の間に置く意味もある。この家の説明からは、収納の位置を洗濯だけで決めず、家族の生活全体の中で考えていることが読み取れます。

音への配慮については設計上の狙いであり、実際の遮音性能を示すものではありません。

デザイエの平屋|人が運ぶ代わりに、収納越しに受け渡す

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脱いだ服を、ランドリー側で受け取れる

デザイエの平屋では、脱衣室で脱いだ服を収納の開口部に入れると、ランドリー側で受け取れる仕組みが紹介されています。脱衣室でいったん集めた衣類を、別途ランドリーまで運ぶのではなく、両室の間にある収納を通して受け渡す考え方です。

さらに、受け渡しは汚れた服だけではありません。乾いたタオルなどをランドリー側から収納すると、脱衣室側から取り出せます。パジャマなどをしまう場所も説明されています。

洗う前の服は脱衣室からランドリーへ。洗った物は収納を介して、使う側へ戻す。

この家で注目したいのは、部屋同士が近いことに加え、収納が「境目」と「受け渡し場所」を兼ねていることです。単に通路を短くするのではなく、運んで補充する作業そのものを減らそうとしています。

初回の打ち合わせから、こうした仕組みを望んでいた

この収納について、動画では、施主と初めて会ったときからこうしたものをつくりたいという要望があったと説明されています。完成後に便利さを付け加えた解説ではなく、打ち合わせの早い段階から共有されていた希望だと分かります。

すべてを常に片づけるのではなく、見せる側と作業する側を分ける

41:19からの説明では、脱衣室側は扉で隠してすっきり見せ、ランドリー側は裏動線として使い勝手を重視する、と役割を分けています。

これは、「物を持たなければ片づく」という話ではありません。動画の終盤でも、物を持ちながら表に出さない暮らしを、設計で支えるという考え方が語られています。

家事をする場所まで、常に展示空間のように保つ必要はない。作業のしやすさと、見える側の整えやすさを分けて考える工夫です。

そして、タオルやパジャマ以外の衣類については、ランドリーから出たすぐ隣にウォークインクローゼットを置いています。動画では、この名称で説明されています。

洗った物をすべて一つのファミクロへ運ぶのではなく、入浴時に使う物と、それ以外の衣類で戻し先を分ける。 収納の近さだけでなく、使う場所に戻せることがポイントです。

なお、収納は家具業者に製作してもらい、つくるのに苦労したという説明もあります。完成した使いやすそうな仕組みだけでなく、製作上の調整があった点も、取り入れる際には知っておきたいところです。費用や具体的な難所は、この発言からは分かりません。

2つの家から見えてきた、直結より先に考えたいこと

2実例を、動画で語られた理由から整理すると、次のように違いが見えてきます。

比較することアーチの平屋デザイエの平屋
説明の出発点共働き・子育ての中で家事を並行する初回から希望していた衣類・タオル等の受け渡し収納
配置・仕組みキッチンとランドリーを近づけ、外干しも横方向につなぐ脱衣室とランドリーの間で収納越しに物を受け渡す
暮らしに取り入れたい工夫家事の進み具合を把握しやすくする運び直す・補充する作業を減らす
衣類収納の役割帰宅動線、居室間のプライバシーへの配慮も担う入浴時に使う物は受け渡し収納、一般衣類は隣のクローゼットへ

どちらも、単に「ランドリーと衣類収納がある家」ではありません。何に気を取られているのか、何を何度も運んでいるのか。その違いが、間取りの違いになっています。

この比較から、「直結させればどの家庭でも正解」とは言えません。先に整理したいのは、自分たちが減らしたい手間です。

料理と洗濯を並行することが多いなら、洗濯室と収納の距離だけでなく、キッチンとの関係も確認する。洗った物を使う場所へ補充するのが負担なら、収納量だけでなく、どちら側からしまって、どちら側から使うかを考える。

そして、ファミクロには帰宅後の着替えや居室との関係もあります。洗濯だけを最短にして、ほかの動きを遠回りさせていないかも見ておきたいところです。

打ち合わせでは「隣にしたい」の前に、毎日の動作を伝える

「ランドリーの隣にファミクロが欲しい」と伝える前に、今の暮らしを次のように書き出してみてください。

  • 料理と洗濯を同時にするのは、朝か夜か。
  • 乾かす方法は、外干し・室内干し・乾燥機のどれが中心か。
  • 乾いた物をどこへ運び、どこへ補充しているか。
  • 家族はどこで着替え、どこでタオルやパジャマを使うか。
  • 見せたくない物と、作業中は出しておきたい物は何か。

この答えがあれば、希望する部屋の名前だけでなく、設計で解決したいことを伝えられます。

今回の2実例が教えてくれるのは、便利な間取りをそのまま写すことより、その家がなぜそうしたかを理解し、自分の暮らしと照らすことの大切さです。

配置だけでなく、理由まで動画で確かめる

HOUSE TAGで気になる条件から実例を探し、動画で設計の理由を聞く。好みの見た目だけでなく、自分たちに合う暮らし方を見つけるために使ってみてください。

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