帰宅動線は玄関だけで考えない|荷物の通り道と階段下収納を工夫した2実例
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車から荷物を下ろし、玄関で靴を脱いで家の中へ運ぶ。外で使った道具は、また別の場所へ片付ける。帰宅を楽にしたくて玄関収納を増やそうと考えていても、「何をどこまで運ぶのか」が決まらないままでは、通り道までは整理できません。
まず分けて考えたいのは、人が家に入る道と、持ち帰った物の行き先です。室内へ持ち込む荷物、屋外の物置へ戻す道具、たまに取り出す季節物。同じ玄関まわりの話でも、確かめたい動作は違います。
株式会社夢広の実例では、荷物が多い暮らしに合わせ、車から中庭側へ運べる通路や、奥の物置へアウトドア用品を運ぶ希望が紹介されています。femの実例では、階段下を、頻繁には使わなくても必要な物や玄関から出る際に使える物の収納先にしています。
今回は、帰宅後のすべての動作ではなく、荷物の通り道と、その先の置き場所に絞って比較します。玄関の広さや収納量を決める前に、自宅の持ち物で確かめたいことを見ていきましょう。
株式会社夢広・2度目の注文住宅|荷物を中庭側や屋外の物置へ運ぶ
玄関を小さくする方針と、荷物を運ぶ通路
この家は、家族が増え、暮らし方が変わったことや、以前の家の家事動線への後悔を背景に建てた2度目の注文住宅です。玄関については、あえて小さくつくり、リビングや動線を確保する方針だったと説明されています。
一方、屋外では、リビングとダイニングの間にある中庭につながる通路が紹介されています。車で帰宅した際、多くの荷物をそこへ直接運び込める使い方です。荷物が多いので、そのまま持ってこられる点が使いやすいと語られています。
ここから読み取れるのは、玄関の広さだけでなく、玄関以外にどの荷物の通り道を任せるかも検討できるということです。ただし、屋外通路が玄関を小さくできた直接の理由だとは断定できません。自宅で参考にするなら、玄関を通したい物と、中庭側へ運びたい物を先に書き分けてみてください。
同じ通路を、遊び道具とアウトドア用品にも使う
通路の奥は畑や倉庫につながっています。子どもたちは、ボールや縄跳びなどの遊び道具を持って、そのまま通り抜けると説明されています。車から荷物を運ぶ場面だけでなく、外で遊ぶときの道具の移動にも使われている通路です。
さらに、駐車場で車のバックドアを開け、そのまま奥の物置へアウトドア用品を運べるようにしたい、という希望も語られています。中庭側へ持ち込む荷物と、屋外の物置に収める用品では、運ぶ先が異なります。この家では、その両方が屋外の経路を説明する中で挙げられています。
自宅の計画でも、外で使う物をすべて玄関収納へ集める必要があるか、考えてみたいところです。例えばアウトドア用品を物置に収めたいなら、物置の容量だけでなく、車の荷室からそこまでどう運ぶかを配置図に描いてもらいましょう。子どもが遊び道具を取りに行く経路も、別の線でたどると相談が具体的になります。
通れるかだけでなく、荷物を下ろして収めるまでを確かめる
この実例で語られる使い方は、荷物を中庭側へ直接運ぶこと、遊び道具を持って奥へ抜けること、車から物置へ用品を運ぶことです。中庭側から室内へ入れる際に、どこで靴を脱ぎ、荷物を一時置きするかまでは説明されていません。
取り入れる際は、通路を歩けるかだけで終えず、普段の向きに車を停めた状態から確認してみてください。バックドアを開け、実際の用品を持ち、物置の扉を開けて収める。室内へ運ぶ物なら、入口で靴と荷物をどう扱うかまでたどります。「車から近い」という希望を、一連の動作として伝えることが大切です。
fem・設計士夫婦の自邸|階段下に、たまに使う物と持ち出す物を収める
階段下を、使用頻度が低くても必要な物の置き場所に
femの実例では、階段下に扉付きの収納があります。扉を開ける場面で、季節物の家具など、頻繁には使わなくても必要な物を収めていると説明されています。続いて、折れ曲がる階段の奥が収納として使えることにも触れられています。
ここで注目したいのは、階段下に収納があることだけではなく、そこへ何を任せているかです。説明に挙がるのは、毎日出し入れする物ばかりではありません。季節が来たら使う家具のように、使わない間も保管する必要がある物の置き場所として利用されています。
自宅でも、空いた場所に何でも入れると考える前に、「毎朝持って出る物」と「季節が来たら取り出す物」を分けてみませんか。使う回数が少ない物でも、必要なときに取り出す動作は残ります。 階段下に任せたい物を決めてから、その形に合う収納内部や入口を相談したいところです。
玄関側の収納と、階段下に収める物を見分ける
この家では、階段下とは別に、玄関側でゴルフバッグや三輪車などを収めた収納も紹介されています。扉を開けると中の物が見えるつくりで、閉じた状態では中にさまざまな物があることが分からなかった、というやり取りがあります。また、来客と居住者が普段使う上がり口の違いも説明されています。
一方、階段下について挙げられているのは、季節物の家具などに加え、玄関から出る際に使える物です。その具体的な品目や、玄関側の収納との使い分けを決めた経緯までは分かりません。ゴルフバッグや三輪車が階段下に入っているわけではなく、別の収納として見る必要があります。
ここから自宅で考えたいのは、「玄関まわりの物」という一括りでは、収納先を決めきれないことです。普段使う上がり口から取り出したい物なのか、季節ごとに出し入れする物なのか。自分たちの持ち物を収納先ごとに割り振り、階段下まで運んでよい物を選んでみてください。
持ち出すときと、使った後に戻すときを分けてたどる
階段下の物については、玄関から出る際に使えるという説明があります。ただし、帰宅後に同じ場所へ片付ける動作や、収納内部での物の並べ方までは紹介されていません。「帰宅時の荷物をすべてここで片付ける収納」として説明されているわけではありません。
参考にするなら、まず収納から物を取り出し、玄関へ向かう動作を図面上で試します。そのうえで、帰宅してから戻す経路も逆向きに確認しましょう。荷物を持ったまま扉を開けられるか、手前の物を動かさずに取り出せるかなど、持ち物に合わせた相談ができます。
季節物の家具は、内部に収まることと、入口を通して出し入れできることを分けて確かめたい物です。平面図だけでなく断面図でも、階段下の高さと置きたい物を照らしてもらってください。奥にしまう物を取り出す際、どこを空ける必要があるかまで相談しておくと、収納量だけでは見えない使い方を検討できます。
2実例を比べると、先に決めたいのは「運ぶ先」と「取り出す場面」
株式会社夢広の実例で具体的に語られているのは、荷物が多い暮らしと、その荷物を車から直接運ぶ通路です。中庭側へ持ち込む荷物、奥へ持っていく遊び道具、物置へ運ぶアウトドア用品。それぞれの行き先と屋外の経路が結び付いています。
femの実例では、階段下に、使用頻度は低くても必要な物や玄関から出る際に使える物を収めています。前者が車や屋外から運ぶ経路の説明であるのに対し、後者は保管する物の性格と、取り出して使う場面の説明です。どちらも荷物を扱いますが、工夫している箇所は異なります。
何を楽にしたいかを考えるとき、この違いは大切です。荷物を運ぶ途中が負担なら、収納を増やす前に、車・入口・物置の関係を見直す。たまに使う物の置き場所に困っているなら、保管先と取り出す経路を決める。後者について、femの家で片付けの手間がどれだけ減ったかは示されていないため、収納の使い方を検討する材料として捉えましょう。
二つの工夫は、どちらか一方を選ぶものでもありません。自宅の持ち物について「どこから運ぶか」「どこに収めるか」「次にどこで使うか」を一続きで描いてみてください。玄関を広くするかどうかも、その動作をどこまで玄関に受け持たせるかを整理してから相談できます。
打ち合わせで確認したいこと
- 車で持ち帰る荷物のうち、玄関を通す物、中庭側へ運びたい物、屋外の物置へ戻す物はそれぞれ何か。
- 普段の向きに車を停めてバックドアを開けたとき、アウトドア用品を持って物置まで通れるか。
- 子どもがボールや縄跳びを取り出して遊ぶ場所へ向かう経路は、車から荷物を運ぶ経路とどう重なるか。
- 中庭側から室内へ荷物を入れるなら、どこで靴を脱ぎ、荷物を一時置きするか。
- 玄関をコンパクトにする場合、玄関に残す収納と、ほかの場所へ任せる収納をどう分けるか。
- 階段下に収めたい季節物の家具は、収納内部に収まるだけでなく、入口を通して出し入れできるか。
- 玄関へ持ち出す物を階段下に置く場合、取り出すときと帰宅後に戻すときに、どの上がり口と経路を使うか。
- 階段下の高さを断面図で確認したとき、奥に置く物は何か。その物を取り出すために、手前をどこまで空ける必要があるか。
帰宅動線を考える出発点は、玄関の広さだけではありません。持ち帰った物の行き先と、次に使う場面までを伝えると、通路と収納を一緒に相談できます。関連する実例ページでも、収納の見た目だけでなく、車から運ぶ道や扉を開けて取り出す動作を追ってみてください。
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