畳スペースは上げる・下げる・フラット?3実例で考える段差の決め方
この記事の内容
リビングのそばに畳があれば、子どもを寝かせたり、自分もちょっと横になったりできそう。そう考えて間取りを見始めると、次に迷うのが床の高さです。小上がりにするか、周囲とフラットにするか、それとも一段下げるか。見た目の好みだけでは、そこでどう過ごすかまでは決まりません。
今回紹介するのは、バイクを見下ろしてくつろぐGハウスの小上がり、赤ちゃんや来客の利用を想定したデザイエのフラットな畳、子どもが落ち着いて眠れる場所を目指した株式会社夢広の小下がりです。同じ畳でも、床の高さに込めた理由は異なります。
3つの形に順位を付けるのではなく、誰が、何をしながら、どのように休む場所なのかを比べてみましょう。段差そのものと、周辺の配置や収納を分けて考えると、自宅で確かめたい点も具体的になります。
Gハウス・バイクを眺める畳コーナー|小上がりで趣味を楽しむ居場所に
小上がりにした理由は、バイクを見ながらくつろぐため
Gハウスの実例では、和室の小上がりからバイクを見下ろせるようになっています。畳でゆっくり過ごしているときにも、バイクが視界に入る構成です。紹介では、バイクを見るための空間をつくりたいという思いが語られ、テレビやバイクを見ながらくつろぎたいという希望から、小上がりができたと説明されています。
ここから読み取れるのは、畳をどこに設けるかだけでなく、そこで何を見るかまで考えていることです。この家の小上がりは、趣味を眺めながら過ごす場所として選ばれています。 自宅でも同じような居場所を望むなら、先に眺めたい対象と、自分がくつろぐ位置を図面に書き込んでみましょう。
床を上げることと、座ったときの見え方を一緒に考える
この実例で説明されている動作は、畳コーナーで休みながらテレビを見たり、バイクを見たりすることです。単にバイクの置き場があるのではなく、小上がりから見下ろせる関係になっている点が特徴です。ただし、バイクとの間にある開口部の詳しいつくりまでは、この場面からは分かりません。
同じ使い方を検討するときは、立った状態の眺めだけで判断しないことが大切です。畳に座るのか、横になるのかを決め、その姿勢で対象がどう見えるかを確認したいところ。テレビも見るなら、それぞれを見るときの体の向きまで相談しておくと、床の高さと居場所の位置を一緒に検討できます。
将来寝る場所にするなら、今のくつろぎ方とは分けて確認する
畳コーナーは、将来的に寝ることもでき、寝室にも変えられるスペースとして紹介されています。今はテレビやバイクを見て過ごす場所、将来は寝る場所という、時間の経過に応じた使い方も想定されています。寝室として使う際の仕切りや寝具収納については、この場面では説明されていません。
自宅で寝室への転用まで考えるなら、寝具を広げる場所と畳への出入りを図面上で確認しましょう。さらに、寝ている間も家族がテレビを見るのか、視線を遮りたいのかも相談したい点です。「将来も使える」という希望を、横になるだけなのか、日常の寝室にするのかまで具体化すると、必要な備えを検討しやすくなります。
デザイエ・平屋の畳スペース|フラットにして昼寝と来客の休息を想定
赤ちゃんの昼寝や子どもの遊び場としてフラットを選ぶ
デザイエの平屋では、畳敷きを小上がりにする場合もあるとしたうえで、今回はフラットにしたと説明されています。その背景にあるのは、将来赤ちゃんが生まれることを見据えた使い方です。赤ちゃんを昼寝させたり、子どもを遊ばせたりする場所として、畳スペースが計画されています。
ここから読み取れるのは、畳の形を決める前に、日常的に誰が使うかを想定していることです。自宅に置き換えるなら、子どもが横になる位置だけでなく、大人が隣に座る位置や、遊び道具を広げる場所も考えてみましょう。フラットという形式だけで使いやすさを判断せず、実際の過ごし方を平面図に重ねて確認したいところです。
普段の子どもの居場所を、来客が休む場所にも使う
この畳スペースには、子どものためだけではない用途もあります。ホームパーティーでお酒を飲んだ後に少し横になりたいときや、誰かが泊まりたいときにも使える場所として紹介されています。日常は昼寝や遊びに使い、ときには来客の休息や宿泊にも対応する計画です。
自宅で同じように兼用するなら、昼間と宿泊時の両方を図面で試してみましょう。普段の遊び道具をどこに寄せ、寝具をどの向きに広げるか。来客が横になっている間、家族はどこを通るか。床をフラットにする判断と、用途を切り替える準備は、別々に確認したい点です。 この実例から安全性やバリアフリー性能まで判断することはできません。
畳の前の収納に、休むための物と日常の物をどう収めるか
畳スペースの前には収納があり、紹介では来客用の布団も入りそうだと触れられています。続けて、リビングで使う小物や書類なども収められると説明されています。実際に布団を収納しているとまでは確認できませんが、畳の使い方と、その近くに置く収納を一緒に検討できる実例です。
自宅では「布団も小物も入れたい」で止めず、それぞれに必要な収納場所を分けて相談しましょう。寝具を使う予定なら、収納から出して畳に広げる流れも確認します。子どもが寝ているときに書類や日用品を取り出すことがあるなら、寝る位置と収納扉の前を空ける範囲を合わせて考えると、用途同士の重なりを具体的に検討できます。
株式会社夢広・子どもが過ごす畳空間|小下がりで落ち着いて眠れる場所を目指す
走り回る空間の中に、落ち着いて休む畳を設ける
株式会社夢広の実例では、玄関にあえて扉を設けず、入ってきた子どもたちが走り回れる空間をイメージしたと説明されています。一方、LDKの畳は小下がりです。小さい子どもがいることにも触れながら、子どもたちが落ち着いて眠れるように、あえて床を下げたと語られています。
ここから読み取れるのは、動き回る場面と休む場面を、どちらも家の中で受け止めようとしていることです。この家では、子どもが落ち着いて眠れる場所を目指して小下がりを選んでいます。 床を下げれば必ずよく眠れるという意味ではありません。自宅でも、活発に動く場所と横になる場所をどこに置きたいかから考えてみましょう。
遊ぶ、本を読む、寝るという実際の使い方
畳で子どもたちが遊ぶかという問いに対しては、遊んだり、本を読んだり、寝たりすると説明されています。眠るためだけの場所ではなく、複数の過ごし方をする日常の居場所です。また、一段下がっているとおもちゃが周囲へあまり出てこなくて使いやすそうだ、という紹介時のコメントもあります。
このコメントは、小下がりならおもちゃが散らからないという効果の保証ではありません。自宅では、畳に置く本やおもちゃと、ほかの場所へ持ち出す物を分けて考えてみてください。遊んでいる途中に昼寝へ切り替えるなら、何をどこに片付けるかまで決めると、床の形とは別に必要な収納も見えてきます。
残しておきたい制作物にも、しまう場所を用意する
畳の紹介場面では、子どもたちの制作物をしまう収納についても語られています。制作物は増えていくものの捨てられず、画用紙などは場所を取るため、そこにまとめて入れているという説明です。収納の詳しい位置や構造は、この場面だけでは特定できません。
ここで自宅の計画に取り入れたいのは、毎日使う遊び道具だけでなく、残しておきたい物も収納の対象にする視点です。絵や工作を保管する場所と、子どもが自分で出し入れする本やおもちゃの場所は、分けて相談してもよいでしょう。畳で過ごす時間に何を使い、何を残すのかを整理すると、段差のある居場所と周辺収納を一緒に計画できます。
段差の違いより先に、畳で何をしたいかを比べる
Gハウスが小上がりで実現しようとしたのは、バイクを見下ろし、テレビも見ながらくつろぐ場所です。デザイエは、赤ちゃんの昼寝や子どもの遊びを想定してフラットにし、来客の休息・宿泊にも使う計画。株式会社夢広は、子どもが落ち着いて眠れるように小下がりを選び、実際には遊びや読書にも使っています。
特に注目したいのは、デザイエと株式会社夢広のどちらにも子どもが寝る用途がありながら、床の形は異なることです。寝る場所だから必ずフラット、落ち着きたいから必ず小下がり、と一対一で決めるのではなく、普段の使い方や周辺との関係まで検討する必要があります。
また、Gハウスは将来の寝室利用、デザイエは来客の宿泊、株式会社夢広は子どもの日常の遊び・読書・睡眠という違いがあります。まず主な用途を決め、そのうえで眺める対象、寝具を広げる位置、収納する物を確かめましょう。床の高さだけに複数の役割を任せず、配置や収納と組み合わせて考えるのが、3実例を自宅の計画に生かすためのポイントです。
打ち合わせで確認したいこと
- 畳の主な用途は、趣味を眺めること、子どもの昼寝や遊び、来客の休息のどれか。兼用する場合も優先順位を決められるか。
- 小上がりから眺めたい物は、畳に座った姿勢でどう見えるか。テレビも見るなら体の向きはどうなるか。
- 将来寝室として使う場合、寝具を広げる位置と畳への出入り、家族のテレビ利用をどう両立させるか。
- 赤ちゃんが寝る位置に加え、大人が隣に座る場所と、子どもが遊ぶ場所を図面上で確保できるか。
- 来客が泊まるとき、普段の遊び道具をどこに片付け、寝具をどの向きに広げるか。家族はどこを通るか。
- 畳の近くの収納には、寝具、小物、書類の何を入れるか。寝ている人がいても必要な物を取り出せる配置か。
- 子どもが動き回る場所と、畳で本を読む・眠る場所を、LDKの中でどう配置したいか。
- 遊びから昼寝に切り替える際、おもちゃや本をどこに戻すか。残しておきたい絵や工作の保管場所も用意するか。
畳の高さは、そこで過ごす姿勢と、日常・将来の使い方を合わせて決めたいものです。関連する実例ページでも畳と周辺の配置を見比べながら、自宅で優先したい場面を図面とともに打ち合わせへ持っていきましょう。
実例を詳しく見る
あわせて読みたい記事
洗濯動線の間取りは何を優先する?3実例で考える、作業・収納・出入口の配置
洗う・干す・しまうを近づけたい。でも、すべてを一室に集める方法だけではありません。洗濯作業と収納をまとめた平屋、ランドリー横に置く衣類を絞った家、脱衣所と収納を直結させなかった平屋から、配置を決める前に確認したいことを整理します。
記事を読む →回遊動線はどこまでつなぐ?行き止まり・家事・家族の交差を比べる3実例
回遊動線は、一周できること自体が目的ではありません。LDKと水回りをどう分けたいか、洗濯やアイロンとキッチンの往復をどう減らしたいか、上下階に散っていた洗濯作業をどこまで一か所に集めたいか。3つの実例を比べると、つなぐ範囲の違いがそのまま暮らしの優先順位の違いになっていました。
記事を読む →帰宅動線は玄関だけで考えない|荷物の通り道と階段下収納を工夫した2実例
玄関収納を増やす前に、持ち帰った荷物の行き先を考えてみませんか。車から中庭側や物置へ運ぶ株式会社夢広の実例と、階段下に季節物などを収めるfemの実例から、通り道と置き場所の決め方を比較します。
記事を読む →