リビングのエアコンを目立たせないには? ルーバーや造作で隠すときに見たいこと
この記事の内容
テレビボードや塗り壁、照明の見え方は整えたのに、ソファに座ると白いエアコンだけが先に目に入る。リビングで『隠したい』と思うのは、そんな瞬間かもしれません。
ただ、隠し方は一つではありません。前をふさげばよい家もあれば、吸気や吹き出しを通す形が必要な家もありますし、生活感を消したい家、風の向きまで整えたい家もあります。
今回の3実例では、上質なリビングでエアコンを丸見えにしたくない家、見えると生活感が出ると考えた家、暖房と冷房でルーバー角度を変えていた家が確認できました。
同じ『隠す』でも、気にしていたことが違います。その違いまで分けて見ると、自宅で設計者に確認したいことが整理しやすくなります。
リヴアースの平屋|上質なリビングで丸見えにしないため、ルーバーで隠した
テレビの上にある壁掛けエアコンを、そのまま見せない
この平屋では、テレビが置かれる場所の上に壁掛けエアコンがあり、ルーバーで隠れるように計画されています。動画では、こうした上質な家ではエアコンが丸見えだと気になることがあり、隠してあげると品が上がる、という説明がありました。
ここから読み取れるのは、単に機械を消したいというより、リビングの見せ場になる壁面の印象を崩したくない、という発想です。テレビまわりを整えて見せたい家では、この感覚が出発点になりそうです。
普通の壁ではなく、ルーバーにした理由
同じ場面では、『上を普通の壁にしてしまえばよいのでは』という問いに対し、そう単純ではない理由も説明されています。エアコンは本体の上から吸い、下から出るため、壁だとショートサーキットする可能性がある。そのため、この家ではルーバーにして、空気がある程度循環する形状にしたと話されています。
さらに、『設備設計も結構重要な要素の1つ』という言葉もあり、見た目だけで決めていないことが分かります。
自宅で似たことを考えるなら、造作の形を先に決めるより、採用したい機種がどこから吸ってどこへ出すのかを確認したいところです。同じように見えるカバーでも、成立する条件は機種や納め方で変わります。
意匠と設備を切り離さない見方をしたい
この実例で事実として確認できるのは、エアコンを隠しつつ、空気が循環する形状にしていることです。
ここから読み取れるのは、エアコン隠しがインテリアの話だけで終わっていないことです。『白い本体を見せたくない』と『運転の妨げにならないようにしたい』を一緒に満たせるかどうかで、造作の考え方は大きく変わります。
秋田のホテルライクな家|生活感を見せないため、背面収納に合わせて隠した
隠したいのは、機械そのものより生活感だった
この家では、全体をホテルライクに、なるべく生活感が見えないように作ったと説明されています。その流れの中で、リビングのエアコンはルーバーの中に隠されていました。動画では、エアコンが見えると生活感が出てしまうので、隠すことで非日常な空間を演出できるよう設計してもらったと話されています。
この家が消したいのは、機械の白さだけではなさそうです。LDK全体から生活の気配を引き算し、入った瞬間の印象を整えたい。その方向に隠し方が結びついています。
背面収納に合わせたアルミの造作に納める
隠し方にも特徴があり、動画では、エアコンをルーバーの中に隠し、背面収納に合わせたようなアルミの造作で納めていることが紹介されています。
ここから読み取れるのは、エアコンだけを単独で覆うより、周囲の収納や素材感と一緒に考えているということです。エアコンカバーを後から足す発想より、どの面の一部として見せるかを先に決める方が、この家の考え方には近そうです。
『入った瞬間の印象』を整えたいかどうか
同じ場面では、エアコンが隠れていることで『入った瞬間めっちゃいい』『生活感がなくなりました』というやり取りもありました。
もちろん、これは動画の中での印象の話であって、どの家でも同じ効果を約束するものではありません。ただ、自宅で検討するなら、隠したい理由が『ソファから見たとき』なのか、『部屋に入った瞬間』なのかを分けて考えると、必要な範囲が見えやすくなります。
大阪の住まい|隠すだけでなく、暖房と冷房で風向きまで変える
低めの位置にあるエアコンの前に、ルーバーを設ける
この住まいでは、床暖房と併用しながら普通の壁掛けエアコンを使っています。動画では、そのエアコンが比較的下の方についていること、前にルーバーがあることが説明されています。
高い位置の既製エアコンをそのまま隠す発想とは少し違い、付ける高さや前面の造作まで含めて調整している実例です。
暖房は下向き、冷房は上向きに角度を変える
この家で特徴的なのは、ルーバーの角度を調整できることです。動画では、暖房時は下向き、冷房時は上向きにすると説明され、造作で対応してもらったと紹介されています。
設計者は、このルーバーについて『これ結構初めてに近い』と話していました。
ここで考えたいのは、ルーバーを固定の目隠しにするのか、季節で風の向きを扱う部材にするのかという違いです。見た目が似ていても、求める役割が変われば相談内容も変わります。
空気の循環計画の一部として見る
同じ場面では、暖かい空気は上に行くので、それを下に循環させるという説明がありました。
あわせて、シーリングファンや、分岐した吹き出しを組み合わせて空気を回している話も出ていました。ここで確認できるのは、エアコン前のルーバーだけで完結させず、ほかの設備とも組み合わせていることまでです。
ここから読み取れるのは、この家のルーバーが『見えにくくする飾り』だけではないことです。もし自宅でも風の当たり方まで整えたいなら、エアコン単体ではなく、ファンや吹き出しとの関係まで含めて相談した方が、この実例に近い検討になります。
3つの家を比べると、隠したいものと使った手段が違っていた
リヴアースの平屋では、テレビが置かれる場所の上のエアコンをルーバーで隠しつつ、上から吸って下から出すエアコンの性質に合わせて、空気が循環しやすい形にしていました。
秋田のホテルライクな家では、エアコンが見えると生活感が出るという考えから、ルーバーの中に隠し、背面収納に合わせたアルミの造作で納めていました。
大阪の住まいでは、低めの位置にあるエアコンの前に可動するルーバーを設け、暖房時は下向き、冷房時は上向きにして、空気の循環計画と結びつけていました。
つまり、1つ目は見せ場の壁面を整えながら設備としても成り立たせること、2つ目は生活感を抑えて非日常感を保つこと、3つ目は隠しながら風向きまで扱うことを優先していました。
自宅で考えるときも、『とにかく隠したい』では話が広すぎます。壁面の印象を守りたいのか、生活感を消したいのか、座る場所での風の感じ方まで整えたいのか。そこを分けると、必要な造作の難しさも確認項目も変わります。
打ち合わせで確認したいこと
- 隠したいのは、白い本体の見た目そのものか、それとも部屋に出る生活感か。
- その壁面は、テレビや収納、塗り壁を含めてリビングの見せ場になる場所か。
- 採用予定のエアコンは、どこから吸ってどこへ吹き出す機種か。前面や上部に必要な余地は確認できているか。
- ルーバーは固定でよいか。暖房時と冷房時で風向きを変えたいか。
- エアコンだけを隠したいのか、背面収納やテレビまわりと一体で見せたいのか。
- フィルター掃除や故障時の点検のとき、どこが開き、どう手が届く想定か。
リビングのエアコンを目立たせない方法は、見た目の工夫だけでは決まりません。今回の実例でも、上質なリビングで丸見えを避けたい家、生活感を抑えたい家、風向きまで整えたい家で、ルーバーや造作の意味が違っていました。形だけを真似するより、なぜその隠し方になったのかを理解して、自宅で減らしたい違和感や手間を言葉にすること。そこから、打ち合わせで確かめるべきことが具体的になります。
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