キッチン家電は見せる?隠す?使うときの動作から考える収納
この記事の内容
朝、ご飯をよそい、電子レンジでおかずを温め、ケトルで湯を沸かす。そんな支度を思い浮かべたとき、家電はどこに置きたいでしょうか。リビングからは隠したくても、使うたびに扉を開けるのか、調理中は開けたままにするのかで、確かめたいことが変わります。
今回は、家電を扉の向こうに集約したTecture、横並びを避けて可動棚に置いたエムズホーム、コンセントの見え方を工夫したエスコネの3実例を紹介します。比較後には、ラクジュ建築と不動産の間取り検討から、家電置き場を計画に組み込む視点を補います。
実例で説明されているのは、配置の理由や使い方です。蒸気対策や配線の詳細を紹介する記事ではありません。見た目の希望を整理したうえで、使う家電に必要な条件を打ち合わせで確かめるための材料として読んでみてください。
Tecture・ガレージハウスの自邸|家電を隠し、家事中は開けて使う
リビングから見せたくない家電を、扉の向こうにまとめる
この家では、カウンター上に物を載せず、炊飯ジャーや電子レンジなどをドアの向こうへ集約しています。その理由として説明されているのが、リビングから電子レンジや冷蔵庫が見えることによる生活感でした。家電の存在をリビングから見せないために、まとめて収める形を選んでいます。
ここから読み取れるのは、収納する物だけでなく、どこから見た姿を整えたいかを決める大切さです。自宅で考えるなら、リビングのソファやダイニングの席を図面に書き込み、そこから何を見せたくないのかを確認してみましょう。家電全部を隠したいのか、一部だけなのかも分けて伝えられます。
調理中は開けたままという使い方まで確認する
使い勝手を尋ねる場面では、家事をするときは基本的に扉を開けっぱなしにしていると説明されています。収納の中を隠せることと、作業中も閉めておくことは別でした。この家では、扉を開けた状態で家事をする使い方が語られています。
隠す収納は、扉を閉めた姿と、開けて使う姿の両方で検討したいところです。 朝食の準備なら、炊飯器を開ける、器を持つ、レンジへ移る、という動きを図面上でたどってみてください。その間、収納の扉をどこまで開けておきたいかを考えると、見た目だけでは決めにくい使い方が具体的になります。
開いた扉と、人が使う場所を重ねて見る
動画内では、一部しか開かない収納では使いにくい場所が生じたり、冷蔵庫前に人が集まったりするのではないか、という懸念も話題になっています。これは比較する収納方式についての発言であり、この家で混雑が起きたという報告ではありません。実例の扉について、具体的な開閉方式まではこの場面から確定できません。
検討時には、扉を開けた状態の図面に、レンジを使う人と冷蔵庫を開ける人の立ち位置を入れてみましょう。「家電を隠せるか」に加え、「使いたい家電の前まで行けるか」を確認するためです。実例の使いやすいという感想を、そのまま自宅の配置にも当てはめないことが大切です。
エムズホーム・共働き夫婦の家|横並びを避け、縦の可動棚へ置く
隠す前に、家電の並び方を変える
エムズホームの家では、炊飯器や電子レンジを横並びに置きたくなかったため、縦の可動棚をつくったと説明されています。横並びを避けた理由は、すっきり見せたかったから。家電の並べ方に対する希望が、棚の形につながっています。
この場面では収納扉の有無までは説明されていません。そのため、「隠さず見せる収納」と断定するのではなく、横方向に並べる代わりに上下へ分けた実例として見るのが適切です。位置の使いやすさを尋ねられた場面では、使いやすいという返答もあります。
家電を隠したいと感じたら、気になるのは本体が見えることなのか、カウンターに横一列で並ぶことなのかを分けてみてください。後者なら、扉を付ける案とあわせて、縦に配置する案も比較できます。見た目の希望を、すぐに収納扉の有無へ置き換えないための考え方です。
棚の計画と一緒に電源を用意する
可動棚の説明に続いて、電源も家電の置き場に用意してもらったと話されています。棚に置いていることと、電源を設けていることは確認できますが、コンセントの正確な位置や、コードをどう収めているかまでは分かりません。延長コードを避けることが採用理由だったとも説明されていません。
自宅の打ち合わせでは、棚だけを描くのではなく、置く予定の家電と電源位置を同じ図に記してみましょう。可動棚を動かして使いたい場合は、配置を変えた後も電源を使えるかが確認事項になります。コンセントの数だけでなく、どの家電がどこから電源を取るかまで相談すると具体的です。
上下の配置は、操作と取り出しまで確かめる
この実例で分かるのは、縦の可動棚を採用した理由と、使いやすいという評価です。炊飯器をどの段に置いているか、蒸気にどう対応しているか、棚を引き出して使うかなどの詳細は、この場面では説明されていません。
縦に置く案を検討するなら、よく使う順に並べるだけでなく、炊飯器のふたを開ける動きや、レンジから器を取り出す動きを一つずつ確かめたいところです。蒸気や放熱についても、採用予定の家電の設置条件に照らして確認を依頼しましょう。棚に収まることと、その場所で使えることは分けて相談してください。
エスコネ・中庭と暮らす家|コンセントの見え方まで整える
家電用の電源も、キッチンの見た目の一部として扱う
エスコネの家では、電子レンジやケトルに使うコンセント、キッチンの立ち上がり付近のコンセントが紹介されています。続いて、コンセントが目立つことに触れ、横長のプレートを説明。カウンター上やキッチンの腰壁で使うと、すっきり見えるという見解が示されています。
ここで家電収納の検討に取り入れたいのは、家電本体だけで見た目を判断しない視点です。コンセントを設ける壁面も、キッチンで目に入る部分として確認してみましょう。棚の配置図とあわせて、壁を正面から見た図で位置やプレートを相談する方法があります。
プレートの見え方と、コードの納まりは別に確認する
この説明は、コンセントの見え方についての判断材料です。電子レンジやケトルをどの棚に置くか、収納扉で隠すか、コードをどこへ通すかまでは明らかではありません。家電をすべて隠した実例や、配線を見えなくした実例として扱うことはできません。
そのうえで自宅の計画では、コンセント単体の見た目と、プラグを差した状態を分けて見たいところです。どの家電を常時接続するか、一時的に使うケトルなどをどこへ置くかを書き出し、コードの通り道も相談しましょう。プレートを選ぶことだけで、配線全体が整うと考えないようにします。
隠す範囲・並べ方・電源の見え方を分けて考える
Tectureの家は、リビングから家電が見える生活感を気にして、扉の向こうに集約していました。使うときは基本的に開けたままです。エムズホームの家では、横並びを避けたいという希望から縦の可動棚を採用し、電源も用意していました。同じ「すっきりさせたい」でも、隠すことと並び方を変えることでは手段が異なります。
エスコネの説明が扱うのは、コンセントのプレートまで含めた見え方です。前の2実例のように家電の収納方法を比較できる情報ではありませんが、家電を使うための設備にも目を向ける材料になります。
自宅では、まず何をどこに置くか、次にどの姿を隠したいか、そして使っている間にどう動くかを整理してみましょう。使用頻度は自分たちの暮らしから書き出し、蒸気や配線は採用予定の家電で確認します。見た目の好みと機器の設置条件を、別々に確かめてから収納の形にまとめる進め方です。
住宅系YouTuberはこう解説している
ラクジュ建築と不動産|収納方法を選ぶ前に、間取りに家電置き場を確保する
家電の置き場があるかを、間取り検討の途中で問い直す
ラクジュ建築と不動産の「【楽ウェルLive】間取りLive01 2階建て1Fリビングベーシックプラン!」では、間取りを検討する会話の中で、キッチン家電の置き場があるかを問い、置き場がないことを確認しています。その後、対面キッチンなら家電置き場や食器棚を置ける、という案へ話が進んでいます。
ここから読み取れるのは、家電収納を仕上げや扉だけの問題にせず、間取りの段階で置く場所を確かめたいということです。炊飯器、電子レンジ、ケトルなど、自分が使う物の一覧を図面に添え、置き場が決まっていない物を確認してみましょう。
対面キッチンが唯一の答えという意味ではない
この動画は、検討中の間取りに対する会話です。すべての住宅で対面キッチンが適していると示すものではなく、家電を見せるか隠すか、蒸気や配線をどう処理するかも、この場面では解説されていません。
実例の棚や扉を取り入れる前に、自宅の間取りでその家電を置く場所があるかを確認する。そのうえで、使うときの動作と見え方を比べる。この順番で相談すると、収納の形だけを先に決めずに検討できます。
打ち合わせで確認したいこと
- 使う予定の炊飯器・電子レンジ・ケトルなどを図面に置いたとき、置き場が決まっていない家電はありませんか。
- リビングやダイニングのどの席から、どの家電を見せたくないですか。
- 収納扉はいつ閉め、いつ開けたままにしますか。朝食準備から片付けまでの使い方を説明できますか。
- 扉を開けた状態で、レンジを使う人と冷蔵庫を使う人の立ち位置や通り道を確保できますか。
- 横並びを避けたい理由は何ですか。縦に配置した案でも、ふたの開閉や器の取り出しを無理なく行えますか。
- 可動棚の位置を変える場合も含め、各家電はどのコンセントから電源を取りますか。
- 採用予定の家電について、蒸気や放熱に関する設置条件を誰が確認し、棚や扉の計画へ反映しますか。
- コンセントのプレートだけでなく、プラグを差した状態とコードの通り道まで確認できますか。
キッチン家電の収納は、隠すか見せるかの二択ではありません。置き場を確保し、並び方を選び、扉を開けて使う動作や電源まで確かめることが大切です。紹介した実例も参考に、自宅でよく使う家電と一日の動きを図面に重ねてみてください。
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