冷蔵庫はどこに置く?料理の順序・見え方・回遊動線で比べる3実例
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冷蔵庫の位置は、キッチンに近いかどうかだけで決めると迷いが残りやすい場所です。食材を出してすぐ置きたいのか、LDKから生活感を見せたくないのか、家の中を回りやすくしたいのかで、同じ『キッチンの近く』でも答えが変わります。
今回の3実例では、Gハウスは『冷蔵庫とパントリーから取り出し、すぐ作業へ移る順序』、エスコネは『LDKから見えない位置とキッチン内の回遊』、デザイエは『回遊と見え方を両立する組み立て』をそれぞれ優先していました。
冷蔵庫をどこへ置くかは、単体の家電の話ではなく、料理の始まり方とLDKの見え方をどう整えるかの話でもあります。実例ごとに、そう配置した理由を追っていきます。
Gハウスの実例|食材を出してすぐ置ける順序を優先
冷蔵庫とパントリーを、調理の出発点としてまとめる
この実例では、冷蔵庫とパントリーが並び、その近くに食材を置く動きがそのまま説明されています。公開字幕では『冷蔵庫があります』『パントリーがあります』に続いて、『料理始める人は冷蔵庫から取ってここに置いて』と語られており、取り出す場所と仮置きする場所が近いことを前提にした使い方が示されています。
ここで確認できるのは、冷蔵庫を単独で置くのではなく、パントリーと合わせて『食材を出し始める場所』としてまとめている点です。冷蔵庫から出した物をどこへ置くかが曖昧だと、ダイニングや通路が仮置き場になりやすいので、最初の一手が定まる配置かどうかは見落としにくい判断軸になります。
『取る→置く→鍋を出す』がその場で続く
同じ場面では、『あそうだ今日パスタにしよう』『取ってこっちに置いてお鍋出して』と続いています。食材を出したあと、すぐ近くで献立を決めたり、鍋を出したりする流れまで一連で語られているのが特徴です。
ここから読み取れるのは、この家の冷蔵庫位置が『保存場所』よりも『調理開始の起点』として考えられていることです。料理のたびに冷蔵庫と作業台を往復するより、まず出して置き、それから鍋や調理器具へ進むほうが、作業の順序を崩しにくくなります。
ただし、この場面だけでは置いている台の寸法や、加熱機器との正確な距離までは分かりません。参考にしたいのは数値ではなく、『出した食材をいったん受ける場所が冷蔵庫のそばにあるか』という関係です。
横並びのテーブルにつなげて、調理から食事へ移る
この実例では、続けて『みんなでご飯食べるわけです』『これもキッチンとテーブルは横並びのパターンですね』とも説明されています。冷蔵庫とパントリーから始まる流れが、調理だけで終わらず、横並びの食卓へ接続されている構成です。
冷蔵庫の位置を考えるとき、配膳のしやすさだけに注目しがちですが、この家ではその前段階の『取り出す』『置く』もセットで近づけています。食事までの流れを短くしたいなら、冷蔵庫を食卓の近くに寄せるだけでなく、調理の着手点と食卓の両方に無理なくつながるかを確かめたいところです。
向いているのは、献立を決めながら料理を進める使い方
字幕には『今日配置がこっちになってるけどどっちでもいい』ともあり、細かな向きよりも、壁を利用しながら横並びの関係をつくれることが重視されています。
この実例が合いやすいのは、冷蔵庫から出した物を一度並べ、献立を決めながら調理へ入る家庭です。逆に、LDKから冷蔵庫を隠すことを最優先にしたい場合は、次の実例のように見え方から置き場所を決める考え方のほうが近いかもしれません。
エスコネの実例|LDKから見せないことと回遊を両立
冷蔵庫を『よく使う場所』ではなく『見せない位置』で考える
この実例では、冷蔵庫について『LDKですので空間を崩さないように』『リビングなんならダイニングからも冷蔵庫が見えない位置に冷蔵庫設置』と説明されています。冷蔵庫の近さや収納量ではなく、LDKの見え方を崩さないことが先に語られているのが特徴です。
冷蔵庫は存在感が出やすい家電なので、オープンなLDKでは視界に入るだけで生活感が強く見えることがあります。この実例のように『どこから見えるか』を起点に置き場所を考えると、キッチン周辺の収納計画も変わってきます。
リビングだけでなく、ダイニングからの視線も意識する
字幕では、見え方の対象が『リビング』だけでなく『なんならダイニングからも』と広げて語られています。つまり、この家ではソファ側だけでなく、食事中の目線からも冷蔵庫が目立たないことが意識されています。
冷蔵庫を隠したいと思うと、つい来客が座るリビング側だけを気にしがちです。ただ、毎日長く向き合うのは家族のダイニング側かもしれません。LDKのどこで過ごす時間が長いかによって、『見せたくない方向』は変わります。
見えにくくしながら、キッチンの中は回れるようにする
同じ場面では続けて『ぐるぐるっとこのキッチンの中回ってるようになってます』と説明されています。冷蔵庫を隠すために行き止まりへ押し込むのではなく、キッチン内の回遊と合わせて考えていることが分かります。
ここから読み取れるのは、この家での冷蔵庫位置が『視界から外すこと』と『中で詰まらないこと』の両方を狙っている点です。見えない場所に置けても、取りに行くたびに人がぶつかったり、同じ出入口へ戻る動きが増えたりすると、日常では使いにくさが残ります。
この場面だけでは、回遊が冷蔵庫の前をどの程度通るのか、ほかの収納とどう連続しているのかまでは確認できません。ただ、少なくとも『見えない=奥まった死角』ではなく、『見えにくい位置でも回れる』ことが、この実例の要点です。
向いているのは、LDK全体の印象をそろえたい考え方
この実例の優先順位は、料理の順序そのものより、オープンなLDKの印象を崩さないことにあります。冷蔵庫を目立たせたくないけれど、キッチンを閉じ切りたくはないという考え方に近い配置です。
図面を見るときは、冷蔵庫までの歩数だけでなく、ソファ・ダイニング・通路のどこから見えるかを線で追ってみると、この実例の判断軸を自宅に置き換えやすくなります。
デザイエの実例|回遊しやすさと見え方を一緒に整える
ペニンシュラにして、正面は開きつつ手元は隠しやすくする
この実例では『キッチンはペニンシュラで』『こちらが壁で』『正面は…様子とかも見たいんで開いている』と説明されています。字幕の一部は不明瞭ですが、壁で隠す側と、正面を開いて様子を見やすくする側を分けていることは読み取れます。
冷蔵庫位置そのものの話に見えて、実際にはキッチン全体の開き方と閉じ方の調整が先にあります。手元を少し隠しながら前は開きたい家では、冷蔵庫もそのバランスを崩さない位置に置く必要があります。
戻るのが面倒にならないよう、冷蔵庫とパントリー側へ回れるようにする
続けて『またこっちへ戻るとなったらめどくさいんで』『パントリー冷蔵庫を通ってくるっと回遊できる』と語られています。回遊動線は見た目のためではなく、戻り動作の面倒さを減らすために採られています。
ここで大事なのは、冷蔵庫が通路の途中にあることです。行き止まりの奥に冷蔵庫を置くのではなく、パントリーと合わせて通り抜けの経路に組み込むことで、取りに行く動きと移動の動きが重なりやすくなっています。
パントリーの厚みを使って、リビング側から見えにくくする
この実例ではさらに、『そのパントリーの奥行きってそんなにいらないんでその厚みを利用してちょっとリビング側をへこませて』と説明されています。パントリーの厚みを使って壁面を調整し、冷蔵庫まわりをリビング側から見えにくくしている構成です。
同じ『冷蔵庫を隠す』でも、単に壁を増やすのではなく、必要な収納の厚みを利用してへこみをつくるのがこの家の組み立てです。見え方のためだけに面積を足すというより、収納計画と見え方の整理を重ねていると考えられます。
回遊できても、LDKからは冷蔵庫もパントリーも見せない
公開字幕では最後に『リビング側からは冷蔵庫が見えないしパントにも見えない』とも語られています。つまりこの家では、回れることと、生活感の出やすい背面側を見せないことが同時に成立するよう計画されています。
エスコネの実例も見え方を重視していましたが、デザイエの実例はそこへ『戻るのが面倒にならない回遊』と『パントリーの厚みの使い方』まで重ねているのが違いです。冷蔵庫だけの位置で悩むときほど、背面収納や通路のつくり方まで一緒に見る必要があります。
3実例の違いは、何を楽にしたかったかで見る
Gハウスの実例では、冷蔵庫とパントリーから食材を取り出し、近くへ置いて鍋を出し、そのまま横並びのテーブルへつなぐ流れが説明されていました。優先しているのは、料理を始める順序を途切れさせないことです。
エスコネの実例では、LDKの空間を崩さないように、リビングだけでなくダイニングからも冷蔵庫が見えない位置に置きつつ、キッチン内を回れるようにしていました。優先しているのは、見え方と回遊の両立です。
デザイエの実例では、ペニンシュラキッチンからパントリーと冷蔵庫を通って回遊でき、さらにリビング側からは冷蔵庫もパントリーも見えない構成が語られていました。優先しているのは、戻り動作のしやすさと見せたくない物の整理を一緒にかなえることです。
比べると、冷蔵庫を『調理の起点』として考えるか、『LDKからの見え方』で考えるか、『回遊経路の途中』として考えるかで、置き場所の正解は変わります。まずは自宅で、食材を出す場面・座っているときの視線・キッチン内のすれ違いのどれを優先したいかを言葉にすると、図面の見方がはっきりします。
また、どの実例も冷蔵庫だけを孤立して決めていません。パントリー、壁の位置、食卓との並び、回遊経路とセットで考えている点は共通しています。冷蔵庫位置で悩むときほど、『その横に何があるか』『そこを通ってどこへ行くか』まで一緒に確認したいところです。
住宅系YouTuberはこう解説している
ルームツアーとは別に、住宅系YouTubeでは次のような解説があります。
家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】|通路を作る位置と冷蔵庫・収納幅の説明
家づくり せやま大学【ちょうどいい塩梅の家づくり】の動画では、洗面へ抜ける通路を冷蔵庫の横に作るかどうかで、冷蔵庫が来る位置と収納の取り方が変わると説明しています。字幕では、東側の壁を全面収納として使えることに触れたうえで、『ここに通路を作ってしまうとここに冷蔵庫が来て収納スペースが2700に減ってしまいます』と述べています。
住宅四天王 エース【ハウスメーカー選びの専門家】|冷蔵庫までの通り方でキッチン幅が変わる説明
住宅四天王 エース【ハウスメーカー選びの専門家】の動画では、冷蔵庫まで家族がどう通るかによって、必要なキッチン幅の考え方が変わると説明しています。字幕では『ダイニングからダイレクトで冷蔵庫行くって人はキッチン幅狭めてもいい』としたうえで、『みんながそのキッチンの通路を通って奥に冷蔵庫ってなるとやっぱり広げとかないと』と述べ、冷蔵庫の位置を含めて幅を考える話をしています。
打ち合わせで確認したいこと
- 冷蔵庫から出した食材を、いったん置く場所はすぐ横にあるか。ダイニングや通路が仮置き場にならないか。
- 料理の流れは『取る→置く→切る→加熱する』の順で無理なくつながるか。それとも途中で向きを変えたり戻ったりするか。
- 食卓との距離だけでなく、冷蔵庫とパントリーの位置関係まで含めて、調理の始まり方を説明できるか。
- ソファからだけでなく、ダイニングに座った視線からも冷蔵庫が見えるか。どちらをより隠したいか。
- 冷蔵庫を見えにくくした結果、キッチンの中が行き止まりになっていないか。家族が同時に入っても回れるか。
- パントリーを設けるなら、冷蔵庫と別々に考えていないか。取り出す物と通る道が分断されていないか。
- 回遊動線をつくるなら、その目的は何か。買い物後の収納、調理中の戻りやすさ、配膳のしやすさのどれを優先するか。
- 壁や収納の厚みを使って冷蔵庫を隠す場合、その壁は見え方のためだけか、収納や通路にも役割を持たせられるか。
- 図面上で冷蔵庫の位置を決める前に、朝食の準備や夕食づくりの場面を言葉で追い、どこで立ち止まるか確認したか。
冷蔵庫の置き場所は、近いか遠いかだけでは決まりません。食材を出してすぐ調理へ移りたいのか、LDKから見せたくないのか、回遊の途中に組み込みたいのかで、向く配置は変わります。今回の3実例の違いを手がかりに、冷蔵庫単体ではなく、パントリー・食卓・通路まで含めた関係で考えてみてください。
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