豪邸の中庭は何のため?1実例で見る「予備の物干し」という使い方
この記事の内容
中庭を眺めながらくつろぎたい。でも、洗濯物が多い日には、そこへ少し干せると助かる。中庭のある家を考えるなら、景色としての魅力と、日々の使い道をどう両立させるかも気になるところです。
今回は、リアライズ株式会社が手掛けた豪邸の1実例を取り上げます。この一邸では、中庭の物干しを、室内で干しきれないものが出たときの備えとして用意していました。室内の乾燥・物干しと、収納までの流れをたどります。
光の入り方や視線の遮り方ではなく、ここで掘り下げるのは中庭に持たせた家事の役割です。後半では、土地の形と建物の外周から中庭を考える解説も補足し、物干しを備える判断と、中庭そのものをつくる判断を分けて整理します。
リアライズ株式会社・ガレージハウス|中庭の物干しは、室内で干しきれない日の備え
中庭の物干しには「予備」という役割がある
中庭の物干しについて、動画では室内からあふれたものを干すため、万が一に備えて用意したと説明されています。中庭で毎日の洗濯物をすべて乾かす計画としてではなく、ほかの場所で収まらないときの干し先として紹介されているのが特徴です。
ここで区別したいのは、説明されているのが「中庭をつくった理由」ではなく、中庭に物干しを備えた理由だという点です。この場面から、中庭そのものが洗濯のために設けられたとまでは言えません。
自宅で考えるなら、まず普段の洗濯をどこまで室内で終えたいかを書き出してみてください。そのうえで、干しきれない場面があるか、そのとき中庭を使いたいかを考える順序です。中庭を一日中使う場所にしなくても、必要な場面を具体的に決めることはできます。
室内で乾かす手段を用意したうえで、中庭を加えている
中庭の説明に先立って、室内には洗濯機や乾燥の設備があり、電動で下ろして使う物干しも紹介されています。乾燥設備を使うものと室内で干すものを分ける話の後に、中庭の物干しの用途が説明されます。中庭だけで乾燥を担うのではなく、複数の干し先を組み合わせた計画です。
ここから読み取れるのは、中庭の使い方を室内の設備と切り離して決めていないことです。物干しを検討するときは、中庭に何本付けるかを先に決めるより、室内で乾かす量と、それでも外へ出したい量を分けると相談しやすくなります。
眺めたり座ったりする場所としても中庭を使いたいなら、洗濯物を干す日にはどこを使うかも図面に書き込みたいところです。これはこの一邸で確認された使い方ではありませんが、自宅の計画では、物干しの位置と希望する居場所を同じ図面で確かめられます。
乾いた後の収納まで見る。ただし、中庭からの道は別に確かめる
乾燥したものや干したものをどうするかという質問に対し、廊下側に収納があり、すぐにしまえると説明されています。続いてウォークインクローゼットが紹介され、収納まで一直線につながること、洗濯に関する作業がワンフロアで済むことが語られています。
一方、この場面だけでは、中庭の物干しからどの出入口を通り、どこを歩いて収納へ向かうかまでは確認できません。室内の洗濯場所から収納への説明を、そのまま中庭からの一直線動線だと置き換えないことが大切です。また、ワンフロアという説明は、1階にあるという意味ではありません。
打ち合わせでは、室内で乾かした日と中庭へ干した日の二通りを、別々に図面上でたどってみましょう。中庭へ運ぶときだけでなく、取り込んで収納するまでを確認します。予備の干し先であっても、使う日の動作まで決めておくことが、この実例を自宅の計画に生かすポイントです。
この一邸から分かること|中庭の使い道と、採用の判断は別に考える
この一邸で確認できるのは、室内に乾燥・物干しの手段を用意し、中庭の物干しを干しきれない場合の備えにしていることです。室内の洗濯場所から収納へつなぐ計画も説明されていますが、中庭の具体的な出入口や、そこから収納への経路までは、この場面では分かりません。
そのため、参考にしたいのは「中庭があれば洗濯が楽になる」という結論ではなく、普段の干し先と予備の干し先を分ける考え方です。自宅では、室内で処理したい量、予備が必要になる場面、取り込んだ後の戻し先をセットで確かめてください。
中庭そのものを採用するかどうかは、さらに別の検討です。光を届けたい部屋、避けたい視線、外で過ごしたい場所を示し、その希望に対してどんな配置が提案されるかを確認しましょう。この実例の物干しの説明だけで、それらの条件まで判断することはできません。
住宅系YouTuberはこう解説している
住宅四天王 エース【ハウスメーカー選びの専門家】|中庭を設ける判断は、使い道だけでなく土地の形と外周も見る
細長い土地の中庭案には、費用対効果への慎重な見方もある
この解説では、土地の形状や方位を確認する話の中で、細長い土地の中央に中庭を設ける案が挙げられています。楽しさのある形にできるとしつつ、建物の外周が長くなることを理由に、費用対効果には慎重な見方を示しています。
これは、紹介した一邸の費用や採用理由を説明するものではありません。また、中庭を設ければ必ず一定額高くなるという比較でもありません。自宅で検討するときに、土地の形と建物の外周も見積もりの相談項目に加えるための視点として読めます。
物干しを付けたいことと、中庭をつくりたいことを分ける
すでに計画している中庭に予備の物干しを付けるのか、予備の干し先を確保するために中庭を新たに設けるのか。この二つは分けて相談したい内容です。後者なら、中庭のない案ではどこに干せるのかも一緒に検討すると、中庭に求める役割を整理できます。
光や視線、屋外で過ごす場所も期待するなら、それぞれを別の要望として伝えましょう。物干しに使えるという説明だけで、採光やプライバシーまで満たせるとは判断しないことが大切です。
打ち合わせで確認したいこと
- 中庭の物干しは毎日使う計画ですか。それとも、室内で干しきれない場合だけ使う予備ですか。
- 普段の洗濯物は、乾燥設備に入れるものと室内に干すものに、どのくらい分かれますか。
- 予備の干し先が必要になるのは、何をどのくらい洗うときですか。その量を中庭の物干しに掛けられますか。
- 室内から中庭へ洗濯物を運ぶときは、どの出入口を通りますか。かごを持った状態で通る道を図面で確認できますか。
- 中庭から取り込んだ衣類は、どこを通って、どの収納へしまいますか。室内干しの日と経路はどう違いますか。
- 中庭を眺めたり座ったりする場所にもしたい場合、物干しを使う位置と重なりませんか。
- 中庭に期待する採光や視線対策は、物干しとは別に、どの部屋・どの方向について検討しますか。
- 中庭はもともと欲しい空間ですか。それとも予備の干し先のために設けますか。中庭のない案と外周・費用・使い方を比べられますか。
中庭を眺める場所にするだけでなく、必要な日に使う干し先として備える。この一邸で参考になるのは、そんな役割の持たせ方です。まずは普段の洗濯と予備の使い方を分け、光・視線・居場所への希望は別に確かめましょう。関連する中庭や外干しの実例も、何をする場所として計画されているかに注目して見比べてみてください。
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