豪邸の来客動線は玄関で分ける?2実例で見る、家族の通り道と迎え方
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友人を迎えるとき、玄関には家族がいつも履く靴が並んでいる。来客用とは別に家族の通り道をつくれば、すっきり迎えられるのでは。そんな希望があっても、別通路を設ける案と、靴の置き方や収納を変える案は分けて考えたいところです。
今回は、豪邸として紹介される別会社の2実例から、玄関まわりを見ていきます。ユニテクノス建築設計事務所の家では、家族用の別通路を設けず、収納と普段の靴の置き方を優先。リアライズ株式会社の家では、道路から玄関を見せないアプローチと、見た目を整えた玄関収納が紹介されています。
扱うのは、家全体を来客用と家族用に分ける間取りではなく、その入口となる玄関の計画です。通路を分けるか、何を収納するか、どこから玄関を見せるか。三つを混同せずに読むと、自宅で必要な境界を考えやすくなります。
ユニテクノス建築設計事務所・モダンな邸宅|家族用の別通路より収納を優先
玄関を一つにまとめ、通路ではなく収納に面積を使う
動画では、シューズクロークの土間を通り、家族用の玄関のように室内へ出る構成を例に挙げながら、この家でそうしなかった理由を尋ねています。それに対し、面積を有効活用し、通路ではなく収納をたっぷり取りたかったと説明されています。玄関を一つにまとめたのは、収納に面積を使うための選択でした。
ここから読み取れるのは、来客と家族の通路を分ける前に、玄関まわりの面積を何に使うか決めているということです。家族用の経路が欲しい場合も、その経路で何を解決したいのかを具体化したいところ。靴を見せたくないのか、来客を避けて出入りしたいのかでは、検討する内容が違います。
打ち合わせでは、通り抜ける案と収納を優先する案を並べ、それぞれで置ける靴と人が歩く場所を図面に描いてもらいましょう。別通路の有無だけでなく、残る収納が日常の持ち物に合うかまで比べると、この家の選択を自宅の条件に置き換えられます。
普段出しておく靴を、一人一つに決めている
この家では、普段使う靴は一人一つと決め、それ以外をシューズクローク側へ入れる使い方が紹介されています。玄関に靴がそれほど並ばなかったため、普段使う靴とそれ以外を分けてよいと考えたことも語られています。収納の形だけでなく、日常的にどの靴を出しておくかが具体的です。
この使い方を参考にするなら、まず自分たちが一日に履き替える靴を数えてみてください。通勤用、運動用、近所へ出るための靴など、同じ人が複数を使うなら、一人一つという運用をそのまま採用する必要はありません。来客の靴を置く位置も含めて、普段の玄関に何が残るかを確かめたいところです。
ここで参考になるのは、別通路がなくても必ず片付くという結論ではありません。収納へ戻す靴と、出しておく靴をあらかじめ分けて考えている点です。来客前だけ一斉に片付ける想定ではなく、普段の出し入れで続けられる置き方かを家族で話しておきましょう。
以前の土間収納での動作を、次の計画に反映する
前の家では、シューズクロークが土間になっており、靴を片付けに行くときにその土間を歩いていたと説明されています。その経験から、今回は土間ではないタイプで、しっかり収納を取れるほうがよいと判断しています。収納量だけでなく、片付けるときにどこを歩くかも選択の理由になっています。
収納を通り抜けられることと、脱いだ靴を戻しやすいことは、別々に確かめたい点です。帰宅して靴を脱ぎ、その靴を手に取り、収納へ戻すところまで順にたどってみてください。履くときだけでなく、室内に上がった後に片付ける場面も描くと、どちら側から収納を使いたいかが明確になります。
この場面で分かるのは、玄関の動線をまとめた理由と、靴の扱い方までです。来客が室内のどこへ進むか、来客中に家族がどの道を使うかは確認できません。玄関の収納計画と、室内で家族の場所を守る計画は、続く別の課題として検討する必要があります。
リアライズ株式会社・ガレージハウス|玄関までの迎え方と収納の見た目を整える
玄関を道路から離し、アプローチを歩く時間をつくる
この家の玄関は奥にあり、長いアプローチを通って向かいます。動画では、その長さによって期待感を出したことが説明されています。また、玄関を外から見せないほうが高級感を出せるという考えから、道路から離れたところへ玄関を置いたと語られています。これは、この家で目指した迎え方の説明です。
来客動線を考える際は、玄関扉を開けた後だけでなく、道路から扉へ近づく過程にも目を向けられます。この実例から参考にできるのは、玄関をすぐ見せるか、歩いた先で見せるかという選択です。長くすればどの家でも高級に見える、という一般的な効果として受け取る必要はありません。
ただし、道路から玄関を見せないことは、来客と家族の経路を分けることとは異なります。図面では、道路から玄関へ向かう線と、家族が日常使う出入口からの線を別々に描きましょう。見え方を整えたいのか、人の通り道を分けたいのかを先に整理すると、要望を伝えやすくなります。
玄関内は2WAYではなく、ボックス型のオーダー収納にする
玄関内では、ボックス型のシューズクロークが紹介されています。二つの経路を設ける2WAYの構成にはせず、見た目を整えるためにオーダーで仕上げたと説明されています。収納がフルオーダーであることも、その後のやり取りで確認できます。2WAYにしなかった空間上の理由にも触れていますが、その具体的な条件は明瞭には読み取れません。
ここで押さえたいのは、玄関を二つの経路に分けることと、収納の外観を整えることを同じ目的にしない点です。見た目が整った収納でも、来客と家族が別々に通れるとは限りません。逆に、通路を分ける案を考える場合も、来客側から何が見えるかは別途確かめる必要があります。
自宅で同じような収納を検討するなら、正面の仕上がりだけでなく、靴を出し入れする人が立つ場所まで図面で確認しましょう。来客が靴を脱いでいる場面と家族が収納を使う場面を重ねると、収納の見た目とは別に、必要な使い勝手を話し合えます。
ガレージとの行き来は、来客専用動線と決めつけない
玄関まわりの紹介では、ガレージへ行けることも確認できます。動画内では、この行き来について雨に濡れずに出発できると説明されています。一方、来客時に家族が必ずガレージ側を使う、といった運用までは説明されていません。
ガレージにつながる経路がある場合、それを家族の普段の出入口として使いたいかは、打ち合わせで確認したい論点です。車で帰った家族がどこで靴を脱ぎ、どこへしまうのか。その間に来客が玄関にいたら、どこで動きが重なるのか。接続の有無から一歩進め、使う場面を具体化しましょう。
この実例を、来客用と家族用の動線が完全に分離した家として読むことはできません。アプローチの見せ方、玄関収納、ガレージとの接続という、動画で確認できる要素ごとに参考にするのが適切です。室内の家族専用範囲については、玄関の紹介から推測せず、別に確認する必要があります。
2実例から考える、動線の分離と玄関の見せ方の違い
ユニテクノス建築設計事務所の家で語られたのは、通路より収納へ面積を使う判断です。普段出しておく靴の数を決め、以前の土間収納での片付け動作も踏まえていました。リアライズ株式会社の家では、アプローチで期待感をつくることと、オーダー収納で玄関の見た目を整えることが説明されています。
共通するのは、玄関内を2WAYにしない構成が紹介されていることです。ただし、理由は同じではありません。前者は収納量と靴を片付ける動作まで具体的ですが、後者で2WAYにできなかった空間条件の詳細は明瞭ではありません。見た目を整える意図と、動線を採用しなかった原因は分けて扱う必要があります。
「靴を見せたくない」「玄関扉を道路から見せたくない」「来客と家族が同じ道を通りたくない」は、別の要望です。 最初の二つは収納や玄関位置の検討につながりますが、三つ目は人が通る経路そのものを確認する課題です。どの要望を優先するかによって、比較すべき間取り案も変わります。
家族の場所との境界まで考えるなら、玄関で来客を迎えた後の線も描いてください。案内する部屋までの経路と、その間に家族が出入りする経路を重ねて確認します。今回の2実例は玄関を検討する手がかりであり、家全体の分離を証明するものではありません。
打ち合わせで確認したいこと
- 玄関で解決したいのは、靴の見え方ですか。それとも来客と家族が同じ経路を通ることですか。
- 家族用の別通路をつくる案と収納を優先する案で、通行する場所と収納できる量を比較できますか。
- 家族が普段出しておきたい靴は何足ですか。来客の靴は、それと分けてどこに置きますか。
- 室内に上がってから靴を片付ける場合、どこを歩き、どちら側から収納へ戻しますか。
- 玄関扉は道路から見せたいですか。奥に置く場合は、道路から玄関までどの経路で案内しますか。
- 玄関収納を使う人が立つ位置と、来客が靴を脱ぐ位置は重なりませんか。
- ガレージと室内をつなぐ場合、帰宅後に靴を脱ぐ場所としまう場所はどこですか。来客中も同じ経路を使いますか。
- 玄関から来客を案内する部屋までの道と、家族が来客中に使いたい道は、どこで重なりますか。
来客動線を考えるときは、玄関を二つに分けるかどうかより先に、見せたくない物と、分けたい人の動きを整理したいところです。2実例の収納やアプローチを手がかりに、関連する実例でも玄関の見た目だけでなく、靴を戻す動作と来客中の通り道まで確かめてみてください。
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